「ウッディ・アレン的「パリ観光映画」」ミッドナイト・イン・パリ 梅薫庵さんの映画レビュー(感想・評価)
ウッディ・アレン的「パリ観光映画」
学がないとわからない、とか
お洒落じゃないからわからない、とか
そういうことは関係なく、楽しめる
ウッディ・アレンの映画だと思いますよ。
冒頭の数分、パリの街の風景が
朝から夜へと変わっていくようすが
スクリーンに映しだされるけど、
それはいわゆる「絵葉書的映画」の要素
そこから本題に入るとがぜん、アレン節
主演のオーエン・ウィルソンが
立ち振る舞いといい、台詞回しといい
アレンそっくり、まさに監督の分身
アレンの伝記映画を作るとしたら
ウィルソンしかいない!と思えるほどの
いい役だとおもう
特に知識人をひけらかす友人への
アイロニーには、大爆笑
頷くところもたくさんある。
こういう人間いるよなー、と
「ご当地映画」だから、
有名人が沢山出てくる。
当然、ノスタルジックな雰囲気
野村満載なわけだけれど、
終盤、ラスト近くかな、
こういった懐古趣味に対する
表面上、やんわりとだけれど
内心、痛烈な批判も忘れないのが
アレンの面目躍如、
といったところじゃないかな。
因みにアレンの次回作は
ローマが舞台の
「ローマに愛を込めて」
(To Rome with Love)
次作はご本人も登場するようです。
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