劇場公開日 2025年8月29日

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グラン・ブルー 完全版のレビュー・感想・評価

全66件中、1~20件目を表示

4.5改めて観ると強く感じる夢と現実の乖離

2025年8月3日
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笑える

悲しい

監督のリュック・ベッソンが最初に完成させた上映時間168分にも及ぶ『グラン・ブルー グレート・ブルー完全版』(このタイトルで1992年に日本公開)の『完全版4K』。1988年の初公開以来、これほど様々なバージョンが様々なフォーマットで繰り返し再上映される映画は珍しい。それだけ、カルト的な人気があるということか。

かく言う私も、これを私的カルトと呼んで憚らない"グラン・ブルー・ジェネラシオン"の1人だ。かつて、そのヒリヒリするような映像美と深海への夢に魅せられ、それを盛んにアウトプットしたものだが、再公開にあたり、改めて観てみると、陸よりも海の方が心地いいジャックの手に負えなさが、ジョアンナの絶望的な愛の裏返しになっているところに強く反応してしまった。やはりベッソンは夢と現実の決定的な乖離をフリーダイバーとその恋人を介して描きたかったのだ。ジャックとの語らいではそれまでフランス語だったジョアンナが吐く最後の決め台詞(めちゃめちゃかっこいい)が英語のままで本当に良かった。映画のテーマにも繋がる大事な台詞だし、最初に観た時の印象を壊して欲しくなかったから。

観終わると、エンゾ役のジャン・レノが素敵過ぎて目頭が熱くなった。少々荒っぽい物語が、レノの魅力で全部腑に落ちるからだ。ああ、あんな時代が懐かしいとつくづく思う。

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清藤秀人

4.0深淵の蒼、紺碧の海、偉大なる青

2025年10月31日
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鑑賞方法:映画館

完全版4K上映にて。

『グレート・ブルー』の邦題で封切られた当時に観て、めちゃくちゃ面白かった印象がある。まだ20代で感性も尖がっていた頃だ。
後で知ったことだが、短く編集してフランスで初公開された版から、この日本公開版はさらに削った短縮版だった。
封切りでは然程ヒットはしなかったものの、ビデオソフト化された頃からか、徐々に評価と話題が高まっていったと記憶する。当時のソフト化は公開から1年以上後だったと思う。

『グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版』としてリバイバル公開されたのは初公開から数年後で、それが完全版の尺だった(…はず)。このときは行列ができるほど盛況で、残念ながら私は観に行けなかった。
それから随分して(10年以上後か)、WOWOWで放送された『グラン・ブルー』を観たが、それが完全版だったかどうか分からない。いずれにしても、完全版の劇場での鑑賞は今回が初めてだった。
率直な感想は………長い💦
40年近く前に観た2時間程度の短縮版はとてつもなく面白かった(という印象だけが残っている)のだが、2時間半を優に超える長尺版はあの時の印象を凌駕するまでではなかった。
それは自分の感性が老化してしまっているからに他ならない。

透きとおるほど澄んだエーゲ海に飛び込んだ少年が、素潜りでウツボに餌をやる。素手だ。これはどうやって撮影したのか。ウツボに噛みつかれたら大怪我をするのではないか。
映画の冒頭に置かれている、フランス人のジャック・マイヨールとイタリア人のエンゾ・モリナーリが少年期を過ごすギリシャ編は、モノクロ画面に石灰質の白い岩肌がより純白に映え、底が透けるて見える海面は薄墨を流したかのようで美しい。
海中に沈んでいるコインを誰が素潜りで拾えるか。ジャック少年には自信があったが、年長のエンゾに譲る。その様子を見ていた老神父の優しさが沁みる。

大人になってからの、ライバルでありながら、兄弟のようでも親友のようでもあるジャックとエンゾの関係性が面白い。
エンゾの母親は自分の手づくりではないスパゲッティを食べることを禁じている。母に隠れてホテルのテラスでスパゲッティを食べるのだが、これが不味そうなのが笑える。

ジャック役のジャン=マルク・バールと、エンゾ役のジャン・レノは、かなりの場面で本当に潜水している。
鮮烈な映像美に加えて、このパフォーマンスも当時の若者が熱狂した要因だったと思う。
プールの底に二人で座って水中でシャンパンを酌み交わす場面は出色だ。

ジョアンナ(ロザンナ・アークエット)がジャックと出会うペルーの雪凍る高地で、ジャックが氷の下に潜水する場面が特に幻想的だ。氷の下には閉じ込められた空気がアメーバのように彷徨っている。

そして、ロザンナ・アークエットがたまらなくキュートなのだ!

何度か夜の海が描かれている。
穏やかに波立つ海面が月明かりに照らされて絵画的に美しく、そこにイルカが共演すると躍動感が加わって幸福感さえ与えてくれる。

彼らが競い合うフリーダイビングは、フィンあり、フィンなし、ロープを手繰る、などいくつかの種目があるが、いずれも潜っている(息を止めている)時間ではなく自力でどこまで潜れるかという深さを競うもの。
潜れば潜るほど水圧が肉体を襲ってくるという生命のせめぎ合いであり、ジャックとエンゾは人間が耐えうる限界点に到達していた。つまり、記録更新を狙うことは死を意味している。
それでも記録に挑まずにいられない天才フリーダイバーたち。そこには麻薬中毒にも似た恍惚感のようなものがあったのか…。
最も話題の的だったジャックが見る夢のシーンは、『トレインスポッティング』の中毒患者が見る幻と双璧をなすセンスだと言えるだろう。

ジョアンナを置いて、ジャックはその恍惚の世界へと旅立っていく。
それは誰にも想像すらできない別世界なのだ。

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kazz

ラッセンが好きー!!

2025年10月31日
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鑑賞方法:映画館

角川シネマ有楽町で リュック・ベッソン監督『グラン・ブルー』〈完全版 4K〉鑑賞。音も光も届かない深い海の底にあるという人魚の国。その人魚の魔性に捕らわれ、海の底に引きずり込まれるジャックとエンゾを押し留めることは、地上の女性ごときでは叶わぬことなのだ。#58

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はにわさん in 2025

5.0夢中になって観てしまう映画。

2025年10月26日
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悲しい

幸せ

癒される

前に観て、映画館で観てみたいと思っていた映画を、完全版4Kで観ることが出来て幸せ。

リュック・ベッソン監督、エリック・セラの音楽、美しい映画。

ジャック(ジャン=マルク・バール)
エンゾ(ジャン・レノ)
ジョアンナ(ロザンナ・アークエット)
出演者が皆んな魅力的。

印象的な映像、好きな場面や忘れていた場面もあり、楽しく幸せな時間、改めて好きな映画だと再認識しました。

懐かしい気持ちもあり、新鮮な気持ちあり、ただ映画館で観られる幸せな気持ちあり、本当に楽しかった。

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naomi

3.5昔、何度か観た映画ですが

2025年10月9日
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greens

4.0ハッピーエンドorバッドエンド

2025年10月5日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

観る人によってエンディングの解釈が変わる。
そしてバージョンによってエンディングが異なるものがある。
初めて観るのならばオリジナルバージョンか、完全版をお勧め。
このラストシーンは生涯忘れることはないだろう。

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Kei6

5.0「私の愛を見てきて」と彼女は言った

2025年10月4日
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ラストシーン。
彼がやりたい事を認めるという意味なのか?
それが二度と帰らないという事だとしても。

主人公の最後の決断とか、辻褄が合わない描写とか思う所はあるけど、5点満点。
映画って完成度だけじゃ無いよね。
イルカがジャックの上を飛び越えるシーンのエモさだけで充分だよね。

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DKawa

3.5私は、オリジナル版の方が好みでした。。

2025年9月15日
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鑑賞方法:映画館

オリジナル版は、学生の頃にTSUTAYAでDVDを借りて見たのを記憶していた。
映画の記憶は、主人公の神秘的な印象と深い海の中から戻りたく無いという感覚に怖さを感じた。
主人公を演じた役者さんの不思議な感じが良かったですよね。
あとはジャン・レノ演じる友達のエンゾが凄い良い感じだった。

あの深い海のシーンを映画館の大きなスクリーンで見たいと思って行ってみました。
とにかく、海がキレイだった記憶が強く残ってたんですよね。

今回見た印象は、改めて編集って重要なんだなと思った。
雑味が増えたというか印象が変わったかな。
海の深い青さの印象は、昔の記憶が美化されていたのか、今回はあまり感じなかった。。
4Kって言っても元のデータが古ければ、基本変わらないんでしょうね。

ただ、舞台となっている地中海はキレイだった。
街並みも日本とはまったく違う異世界感が良かった。
映像は30年以上前の映画と考えると頑張ってはいるんだろうけどね。
今はドローンもあるし、CGも凄いし。。
映像美だけで考えると最近の映画の方が間違いなく凄くなっていると思う。

今回の完全版では、主人公の彼女のジョアンヌが大きく描かれていましたね。
全体的にコメディチックな要素が強くなった気がした。
調べてみると、オリジナル版が132分で完全版は168分。
36分も長くなってるんだから追加の話も増えて印象は変わりますよね。

完全版って考えてみるといろいろある。
すぐに思いだすのは、ニューシネマパラダイス、レオンあたり。。
良く思える時もあれば、今回みたいに感じる場合もある。。

今回は、オリジナル版の方が好みだったという事になりました。。

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はりー・ばーんず

3.5海に恋焦がれた人

2025年9月9日
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美しいものの怖さを知る話。

ふたりとも最後は海に魅せられて
帰らぬ人となった。(と解釈)

映像は美しく
潜水のシーン以外は穏やかで

美しい島で一緒に休暇を過ごしてるような気分になる。

一方で、深い海の底に導かれ
落ちていく怖さを感じる。

怖くもあり美しくもある作品。

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nana

2.5ジャックの心情に分からない部分が少なくなかった

2025年9月9日
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悲しい

斬新

ドキドキ

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Bigcat

5.0やはり名作。機会があればぜひ!

2025年9月8日
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泣ける

笑える

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北のやまさん

5.0結局女が育てるのよ

2025年9月8日
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亞LEX

4.0昔大好きだった映画

2025年9月7日
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YOTSUBA

4.0『改めて観る』というのが多い映画

2025年9月6日
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ゾイ

3.5ちょっと長かった

2025年9月6日
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主人公とライバルの関係が良かったけど、ヒロインが可哀想だった。

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たくわん

5.0海の深い青さを感じる映画

2025年9月5日
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Gyoza

3.5リュック・ベッソンによる環境型スポーツへの警告

2025年9月4日
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あまり指摘する人はいないがリュック・ベッソンは政治的な色彩を強く帯びた映画製作者である。活躍は1980年代に入ってからで、ヌーヴェル・ヴァーグからは相当に時代を経ているが政治的資質という点では疑いもなくゴダールやトリュフォーの流れを汲んでいる。オリジナル版は1988年の作品で同時代が舞台(1988年というクレジットが出る)。フランスはミッテランの社会党政権の時代だった。
さてミッテランの政治的ヴィジョンは凡そ3つに整理できる。
①汎ヨーロッパ主義。EUをベースとしてヨーロッパをボーダーレスに政治的、経済的に統合しアメリカへの対抗極とすること。
②中央集権の解体。フランス伝統の警察国家的構造を再構築し、地方と民間に権限を移譲する。
③環境破壊を食い止め地球環境と人間の共生を進める。
リュック・ベッソンはおそらくはミッテラン主義者であり彼の作品はいずれもミッテランイズムの文脈で説明できる。
この作品はフランスでの公開時点では、特にパリの若者たちに支持され、映画館に入場のための列ができたそうである。それはひとえに青い海の価値を見出すという環境問題意識からの評価であったに違いない。
モデルとなったジャック・マイヨールはフリーのダイバーでありもちろん素潜りの記録は色々持っているものの、どちらかというと競技者というよりもレポーターや作家であったと言えるかもしれない。この作品では記録をめぐってジャックへの激しい対抗意識を抱いたエンツォが悲劇的な最期を迎える。これは本来、自然との対話である素潜りの世界に人間的尺度に基づく数字を持ち込みスポーツ化することを批判しているようにもみえる。
だから映画の最後で、夜の海に潜ったジャックが、まぼろしのイルカと触れ合うところ、ここは環境をねじ伏せる、環境を整備する、のではなく環境と協調する人間のあるべき姿を示しているようで、ああ、ここが監督の言いたかったことなんだなと感じた。
あと一つ、男2人と女1人の海洋ものというところ、これもロベール・エンリコの「冒険者たち」のオマージュなんでしょうね。

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あんちゃん

4.0相変わらず切ない

2025年9月3日
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ひぐらし2(ひぐらしから引継ぎ)

4.5海とイルカとロザンナ・アークエット

2025年9月3日
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未見の作品の嬉しい再映。リュック・ベッソンの出世作と言って良いのでしょうか?

これは素直に感動した。

幼い頃に潜水の腕を競い合っていたジャック(ジャン=マルク・バール)とエンゾ(ジャン・レノ)。成長した二人は素潜りの深度を競うフリーダイビングで世界一を争うことに。

彼らの友情と海に対する愛情に熱くなった。ジャックとジョアンナ(ロザンナ・アークエット)の恋にキュンとした。

そう、恋するロザンナ・アークエットがとてつもなく魅力的だった。美しくて可愛くて、何故か内田有紀さんを思ったりした。

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エロくそチキン2

2.0イルカにのった青年

2025年9月3日
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私がリュック・ベッソンのファンになったのは、スタイリッシュなアクション映画としての魅力だったので、かつてこの映画を鑑賞した際にもあまりぴんと来なかった。そもそもどれだけ深く潜るかという競技は、絵的に地味だ。イルカと戯れたりするシーンは美しいが、ドラマ部分が弱い。
ベッソンのプロフィールを読むと、もともとダイビングのキャリアの方が先行していて、事故で断念してから映画へ進んだらしいから、この世界への思い入れはひとかたならぬものがあったのだろう。同系統の作品で言えば、海洋ドキュメンタリーの「アトランティス」の方が不純物がないだけ良作と思う。
音楽のエリック・セラとは一作目から(例外はあるが)近作の「ドッグマン」までずっとタッグを組んでいて、強固な絆があるんだなあと感心する。

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梨剥く侍