グラン・ブルー 完全版のレビュー・感想・評価
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改めて観ると強く感じる夢と現実の乖離
監督のリュック・ベッソンが最初に完成させた上映時間168分にも及ぶ『グラン・ブルー グレート・ブルー完全版』(このタイトルで1992年に日本公開)の『完全版4K』。1988年の初公開以来、これほど様々なバージョンが様々なフォーマットで繰り返し再上映される映画は珍しい。それだけ、カルト的な人気があるということか。
かく言う私も、これを私的カルトと呼んで憚らない"グラン・ブルー・ジェネラシオン"の1人だ。かつて、そのヒリヒリするような映像美と深海への夢に魅せられ、それを盛んにアウトプットしたものだが、再公開にあたり、改めて観てみると、陸よりも海の方が心地いいジャックの手に負えなさが、ジョアンナの絶望的な愛の裏返しになっているところに強く反応してしまった。やはりベッソンは夢と現実の決定的な乖離をフリーダイバーとその恋人を介して描きたかったのだ。ジャックとの語らいではそれまでフランス語だったジョアンナが吐く最後の決め台詞(めちゃめちゃかっこいい)が英語のままで本当に良かった。映画のテーマにも繋がる大事な台詞だし、最初に観た時の印象を壊して欲しくなかったから。
観終わると、エンゾ役のジャン・レノが素敵過ぎて目頭が熱くなった。少々荒っぽい物語が、レノの魅力で全部腑に落ちるからだ。ああ、あんな時代が懐かしいとつくづく思う。
私は、オリジナル版の方が好みでした。。
オリジナル版は、学生の頃にTSUTAYAでDVDを借りて見たのを記憶していた。
映画の記憶は、主人公の神秘的な印象と深い海の中から戻りたく無いという感覚に怖さを感じた。
主人公を演じた役者さんの不思議な感じが良かったですよね。
あとはジャン・レノ演じる友達のエンゾが凄い良い感じだった。
あの深い海のシーンを映画館の大きなスクリーンで見たいと思って行ってみました。
とにかく、海がキレイだった記憶が強く残ってたんですよね。
今回見た印象は、改めて編集って重要なんだなと思った。
雑味が増えたというか印象が変わったかな。
海の深い青さの印象は、昔の記憶が美化されていたのか、今回はあまり感じなかった。。
4Kって言っても元のデータが古ければ、基本変わらないんでしょうね。
ただ、舞台となっている地中海はキレイだった。
街並みも日本とはまったく違う異世界感が良かった。
映像は30年以上前の映画と考えると頑張ってはいるんだろうけどね。
今はドローンもあるし、CGも凄いし。。
映像美だけで考えると最近の映画の方が間違いなく凄くなっていると思う。
今回の完全版では、主人公の彼女のジョアンヌが大きく描かれていましたね。
全体的にコメディチックな要素が強くなった気がした。
調べてみると、オリジナル版が132分で完全版は168分。
36分も長くなってるんだから追加の話も増えて印象は変わりますよね。
完全版って考えてみるといろいろある。
すぐに思いだすのは、ニューシネマパラダイス、レオンあたり。。
良く思える時もあれば、今回みたいに感じる場合もある。。
今回は、オリジナル版の方が好みだったという事になりました。。
海に恋焦がれた人
ジャックの心情に分からない部分が少なくなかった
海やイルカの映像は素晴らしいです。エンゾとジャックの友情の描かれ方も良かったです。さすが名作と呼ばれる作品だと思いました。
ただ、ストーリーの結末が自分にはもうひとつに感じました。結局ジャックはジョアンナよりも、イルカというか海の方を選択した、ということなのですかね。ジョアンナが最後、相当覚悟して、ジャックのダイビングに潜る紐を引いているので、生還はしなかった可能性が高いですが、潜水病のただならぬ症状まで出しながら、最後あれだけイルカと戯れられるシーンがあると、幸運にも戻れたのかなと期待してしまいます。そうだとしても、心を入れ替えてジョアンナのことを大切にしてくれそうにもなく、作品の余韻を高めたというよりは、どっちつかずの要素が強まって残念に思いました。
そのあたり描かれず分からずじまいになるのであれば、この上映時間は長過ぎると感じました。日本人ダイバーのシーンなどは、作品に良さを与えた感じはあまりしなく、完全に蛇足と思いました。
むしろ、エンゾの最後のダイビングで、なぜ弟さんが来れなかったのかについてのストーリーを描く方に時間を使ってもらった方がさらに良かったのではと感じます。
やはり名作。機会があればぜひ!
4Kリマスター版を鑑賞
前回観たのはレンタルビデオ版でまだ90年代だったと思うが、どのシーンもしっかりと覚えていた。
リュックベッソンの特徴的でコミカルな演出が散りばめられているも、後半は恋人との関係と海へ溶け込んでいきたい自らの意志の狭間で揺れる主人公、翻弄される恋人の姿を描く。
映像は美しく、シーン構成もカット割も印象的。さらに当時はまだCGは無かったと思われるがとても工夫して撮影されていると感じた。
このような技術に依存しすぎず、またヒットしたネタを使い回すでもないオリジナルの良作を、手軽な値段で大きなスクリーンで楽しめるようになることが新しいファン層や次の創作者を育てていくことになると考える。
ボランティアではないので一定の儲けは必要ではあるが、上記のようなプライスレスの価値、人材を生み出すべく映画の制作や配給、公開の関係者にはご尽力いただきたい。
結局女が育てるのよ
1週間限定で上映されるとあって、会社を早退して観劇
グレートブルーの時から何度も観た作品
追加されたシーンが多くあったこと、さらに歳を取って見直したことで、この映画の違う面が観れた。
カットされて当然と思うような意味のないシーンもあるが、全体としてはさらに深く理解出来たような気がする。
何かに取り憑かれた男と、それを愛する女の、どうしたって結ばれない悲劇
ベッソン自身がそんな男なんだなろうな
一番印象的に残っているのは、レビューのタイトルで、エンゾの彼女がジョアンナに合うセリフ、元からあったのかもしれないが、気に留めていなかったのかも知れない。
ジョアンナは全てを覚悟して紐を引いたんだなと思うと
残酷です。
でもこんな男って結局モテるんだろうな〜😂(※監督も含む)
昔大好きだった映画
数十年前に何回か見ましたが、ラストシーンの何で?というモヤモヤは感じませんでした。
それは歳を重ねる中で、海の中でイルカと自由に生きたい、現実を直視したくないジャックの気持ちが理解出来るようになったんだと思います。
水中の映像や夜の海でジャックがイルカと泳ぐシーンはとても美しく、映画館で観られて感動しました。
が、フランス語吹き替えを日本語字幕で観る不自然さが拭えませんでした。
『改めて観る』というのが多い映画
昔の事なので、どれが最初かわからなかったけど、
改めて観ると初めて観るシーンがこんなにあったのか…と思いました。つまり完全版初めてだったのか?と思う。主役がロザンナアークエットだった事も今回知った。陸そして街のシーンがこんなにあったとは、昔観た時の印象が変わったけど、コレはコレでいいけど
完全版だとR15指定になるのも面白い。グレートブルーやオリジナルバージョンと数十分尺が違うのですが、完全版だとロザンナが主役という気がしてくる
いづれも、冒頭のそこそこ長いモノクロシーンが好きですね
海の深い青さを感じる映画
冒頭はジャックとエンゾの子供時代をモノクロで映した映像から始まる。
太陽が波面に反射して、白と黒がハッキリした画面に北斎ブルーのような透明感のある青色で中央からLe Grand Bleuとタイトルが出てくる。
次に、岩場から潜水道具を取り出すジャックを見て、もう既にその世界観に惹かれている。モノクロの海中は、波の間を差し込んでくる太陽が白い線を揺らめかせている。
冒頭のシーンは数ある映画の中でも惚れ惚れする美しさを持っていると思う。海の美しさと子供の頃を思わせるようなノスタルジックで自由を感じるようなそんな場面である。
ジャックとエンゾはガキ大将と何故かガキ大将だけには気に入られてる子供みたいな関係。
ストーリーは海やイルカに魅了されたジャックと、一方で競技として名誉や負けず嫌いのために潜水をしてきたが、最後の最後ジャックの記録を塗り替えようとして潜る内に海に魅了されさよならしたエンゾの友情物語として見れる。もう一点はジャックとジョハンナの恋物語である。
リュック・ベッソンによる環境型スポーツへの警告
あまり指摘する人はいないがリュック・ベッソンは政治的な色彩を強く帯びた映画製作者である。活躍は1980年代に入ってからで、ヌーヴェル・ヴァーグからは相当に時代を経ているが政治的資質という点では疑いもなくゴダールやトリュフォーの流れを汲んでいる。オリジナル版は1988年の作品で同時代が舞台(1988年というクレジットが出る)。フランスはミッテランの社会党政権の時代だった。
さてミッテランの政治的ヴィジョンは凡そ3つに整理できる。
①汎ヨーロッパ主義。EUをベースとしてヨーロッパをボーダーレスに政治的、経済的に統合しアメリカへの対抗極とすること。
②中央集権の解体。フランス伝統の警察国家的構造を再構築し、地方と民間に権限を移譲する。
③環境破壊を食い止め地球環境と人間の共生を進める。
リュック・ベッソンはおそらくはミッテラン主義者であり彼の作品はいずれもミッテランイズムの文脈で説明できる。
この作品はフランスでの公開時点では、特にパリの若者たちに支持され、映画館に入場のための列ができたそうである。それはひとえに青い海の価値を見出すという環境問題意識からの評価であったに違いない。
モデルとなったジャック・マイヨールはフリーのダイバーでありもちろん素潜りの記録は色々持っているものの、どちらかというと競技者というよりもレポーターや作家であったと言えるかもしれない。この作品では記録をめぐってジャックへの激しい対抗意識を抱いたエンツォが悲劇的な最期を迎える。これは本来、自然との対話である素潜りの世界に人間的尺度に基づく数字を持ち込みスポーツ化することを批判しているようにもみえる。
だから映画の最後で、夜の海に潜ったジャックが、まぼろしのイルカと触れ合うところ、ここは環境をねじ伏せる、環境を整備する、のではなく環境と協調する人間のあるべき姿を示しているようで、ああ、ここが監督の言いたかったことなんだなと感じた。
あと一つ、男2人と女1人の海洋ものというところ、これもロベール・エンリコの「冒険者たち」のオマージュなんでしょうね。
海とイルカとロザンナ・アークエット
イルカにのった青年
私がリュック・ベッソンのファンになったのは、スタイリッシュなアクション映画としての魅力だったので、かつてこの映画を鑑賞した際にもあまりぴんと来なかった。そもそもどれだけ深く潜るかという競技は、絵的に地味だ。イルカと戯れたりするシーンは美しいが、ドラマ部分が弱い。
ベッソンのプロフィールを読むと、もともとダイビングのキャリアの方が先行していて、事故で断念してから映画へ進んだらしいから、この世界への思い入れはひとかたならぬものがあったのだろう。同系統の作品で言えば、海洋ドキュメンタリーの「アトランティス」の方が不純物がないだけ良作と思う。
音楽のエリック・セラとは一作目から(例外はあるが)近作の「ドッグマン」までずっとタッグを組んでいて、強固な絆があるんだなあと感心する。
リュック・ベッソン原点にして頂点。
日本で発売された『グラン・ブルー』Blu-rayはモノラルなので、
いつか音高質のBlu-rayが出るんだろうなぁ勿論
買うけど、
と思っていたら、忘れた頃に4K劇場公開。
(KADOKAWAは年内に4KUHD発売とみた。)
初劇場公開も通いレーザーディスク&DVD&Blu-rayで計50回は観ているグラン・ブルーは、
サウンドトラックも即CDを買い、車でも毎日聴いていた。
渋滞も不快にならないほど、
僕はどっぷりグラン・ブルーに魅了されていた。
4K公開、観ないはずがない。
ただ心配は画質である。
ああ、やはり高画質は望めない。
もともとこの画質なのだろう。
ただ音質はクリアで、高音やサックスの響き等満足する。
オープニングから、音質に驚かされ興奮した。
きっと前世は海の生き者だったのだろう。
海底にいると地上に帰る理由がわからなくなる。
そこは時が止まり、安堵しかない愛の世界なのだろう。
映画のチラシに
リュック・ベッソン原点にして頂点
とあったが、納得と同意。
やはり、このリュック・ベッソンと
(可愛い)ロザンナ・アークエットと
(イノセントの徹底)ジャン=マルク・バールと(ガキ大将が大人になったようにしか見えないが
ピアノも弾きエレガントでいいヤツ)ジャン・レノと
音楽エリック・セラが特別級に素晴らしい。
この世界観に、僕も海底を彷徨う。
ギリシャの海が綺麗
幼い頃にギリシャの海辺で出会い、潜水の腕を競い合っていたジャックとエンツォの2人。20数年後、フリーダイビングでチャンピオンとなっていたエンツォはジャックをイタリアで開催されるフリーダイビングの大会に招待した。勝負に燃えていたエンツォと、イルカと海に潜る事が好きなジャックの2人は、競い合い潜水記録を伸ばしていった。また、ジャックは彼に思いを寄せるアメリカ女性ジョアンナとひかれ合った。そんなある日、ジャックは人間の限界に迫るような潜水の記録を打ち立てた。負けず嫌いなエンツォは、その記録を超えようとさらなる挑戦に身を投じ・・・さてどうなる、という話。
「グラン・ブルー 完全版 4K」として再上映されたので劇場鑑賞。
ジャック・マイオールという名前から、実在するフリーダイビングの記録を作った人なので、彼のドキュメンタリーかと思ったら違ってた。
現実と比べたら、ジャックを良く描き過ぎてるし、エンツォを悪く描き過ぎてる。
まぁ、フィクションとしてみればなかなか面白かったけど。
エンツォを殺さなければならなかったのがよくわからなかった。ジャック同様、蘇生出来たと思えたから。
カラーになった時のギリシャの海はメッチャ綺麗だった。
ジャック役のジャン・マルク・バールはかっこよかった。そして、エンツォ役のジャン・レノは貫禄あった。
ジョアンナ役のロザンナ・アークエットは唇が魅力的でエロくて面白かった。
リュック・ベッソン全盛期の一作
グラン・ブルー完全版4Kを鑑賞。
90年代に完全版を初めて鑑賞して以来、現在に至るまで大好きな映画。
本作をきっかけにダイビングのライセンスを取得したくらい。
ベッソンは「サブウェイ」「グランブルー」「ニキータ」「レオン」の4作だけで才能の全てを使い果たしたと言っても良いくらい。(個人の感想です)
その後もベッソン御用達になるジャン・レノとエリック・セラ(音楽)が起用されているが、偶然にも本作含め自分のベスト候補の「パルプフィクション」「バッファロー‘66」にもちょい役ながら出演しているロザンナ・アークエットが、この映画の本質にある「男のロマン」の様なものに対して理解できない女性側の象徴としてうまく機能しており、ジャック・マイヨール役のジャン・マルク・バールの浮世離れした聖人っぽさが本作のファンタジー感をより強く押し出している様に思う。
4Kで観ることで地中海のブルーがより深くなり、イルカと戯れる臨場感も劇的に変わり鑑賞価値が一気に上がったとように思う。
しかしプールの中でエンゾとジャックが競い合いながらシャンパンを酌み交わすシーンはいつどのような解像度で観ようがどうでも良いと思うくらいおしゃれ過ぎて大好き。
あのシーンだけで星五つの価値があると思ってる。
イルカと海に還るとはーー初見時の圧倒的感動は少しだけ思い出せたかな
1988年公開だから37年を経てのリバイバル上映。88年当時「グレート・ブルー」(英題Big Blue、120分)のタイトルで公開された本作を、大学生だった僕は確か自由が丘で観た記憶がある。
強烈な印象を残す1作だった。
何か人生ですごく大事な、これからの自分が探していかないといけないものがこの映画中にある気がして、同時期に発売された主人公ジャック・マイヨールの自伝「イルカと海に還る日」も夢中で読んだ。日本でイルカに出会ったこと、瞑想や呼吸法に取り組んでいたこと、彼に続く素潜りダイバーたちがさらに記録を更新していったことなど、この映画の世界をさらに深めてくれる話題がたくさん書いてあった気がする。
その後、「グランブルー」(132分)のタイトルで1998年に再公開されたのも確か渋谷に見に行った。初見の時の感動は戻ってこなかった。フランス語のタイトルになったのもなんか気に入らなかったし、もう社会人になった僕には、初見の時の柔らかい心がなくなっていたのかもしれない。
今回の「グランブルー完全版」は168分と最初のバージョンから48分も長くなっていた。
ベッソン監督はその後の作品を見てもわかるけれど、一つ一つの場面やキャラクターを記号的に、何らかの象徴性を持たせて、戯画化するかのように強調するのが特徴だと思う。それがこの映画を神話や寓話のように、あるいはすごく詩的な映画にしていたように思う。
しかし、それ以降の作品や売れ線の作品を作るプロデューサーとなってからはその作風が軽さや分かりやすさ、(あんまり笑えない)ユーモアとなって、この映画のような詩的な象徴性や神話性はなくなっていった。
ベッソンの名前を見るとつい観てしまうのだが、「グレートブルー」のような無意識まで揺さぶられるような映画体験を与えてくれた彼の作品は、僕にとってはこの1作だけである。(僕自身が世間ずれしていったことによる影響が大きいののだろうけれど)。
今回Wikipediaを調べてわかったのだけれど、マイヨールはこの作品公開後に「Homo delphinus(イルカ的人類)」という本を書いていた。この映画の中でも、マイヨールは、人間社会より、イルカと海の方がピッタリくると感じている不適合者的人物として描かれている。人と接するのは苦手で、海の中にいる時だけが自分らしくいられるし、イルカとなら一晩中遊んでいても疲れることはないのである。
つまり、マイヨールはイルカ的思念の持ち主なのだ。あるいはそれを探し求めている人物といった方が良いのかもしれない。村上春樹の「羊をめぐる冒険」の羊的思念と一体化した日本社会の影のフィクサーのように。
そのイルカ的思念から見える世界こそがリアルで幸せで充実している。しかし、その認識はイルカと海の中にいる時だけの一時的なものでも、それを短時間でも得ることが人生の目的になっている…。
だからこそ、それを手にすることができなくなった実際のマイヨールは晩年心を病み、自死を選ばざるを得なかったのかもしれないと感じるのは、勝手な思い入れなのかもしれないけれと。
この作品はアメリカではハッピーエンドで公開されたという。具体的な改変内容はわからないが、おそらくは自死を選ぶかのように深夜の深海に潜ったマイヨールと彼を待つ彼の子供を宿した恋人(この妊娠設定は、前のバージョンではなかった気がする)が現実世界で幸せな家庭を持つことを示唆する終わりのはずだ。
だとしたら、よくそんな台無しのエンディングにしたものだ。実際,フランスと日本での熱狂・カルト化に比してアメリカでは酷評だったらしい。
人間世界的には死だとしても、彼の自伝のタイトル通り「イルカと海に還る」ことが、この映画のマイヨールの望みであり、超越的な永遠の生を得ることかもしれないと示唆するからこその強烈な余韻でもあるし、また現実のマイヨールはもしかするとそれを果たせなかったのかもしれない、いや、それは彼の中には記憶としてずっとあったはずだというような考え(勝手な思いこみでもあるけれど)にもつながったのだと思うのだ。
残念ながら、今回初見時の圧倒的な感動はよみがえってこなかったけれど、この映画がその後の僕に小さくない影響を与えていたことは改めて確認できた気がする。
なんだかんだ言っても、僕にとっての人生を変えた一本なのかもしれない。
念願のスクリーン鑑賞。最高です。
この作品に出会った時はもう遅かった。ビデオテープで観ました。
当時は悔やんでも悔やみきれない思いになりましたね。
そして今日、やっとスクリーンで観れました。たまりません。
だって当時と同じで息を止めましたもん。
やっぱりこの作品は女にはわからんよな。
差別でも偏見でもなく、男ってバカなんだよな。バカ。
理解出来ないよな。同じ男でも理解出来ない部分があるんよ。
金や名声、プライドや意地……。命と天秤に懸けるねん。つまらん事を。
だって知ってしまったんよ。未踏の領域を。他人には理解できない世界を。
それを見事に描いた作品。久しぶりに観たけど何も変わらず感動し同じ箇所で泣きエンゾのキャラで微笑んだ。
多分『わんぱくフリッパー』を観た世代はハマるんちゃう?
イルカ大好きやろ?ロマンがあり海に憧れるやろ?
エンゾがジャックに送ったガラスのイルカの置物。似たのを探したもん。
イルカ達が笑い、声を上げているシーンでニヤけてしまうのは私だけではないはず。
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