東京・オブ・ザ・デッド 3日のレビュー・感想・評価
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・・・え?えっと・・・
「闇のカーニバル」などの先鋭的な作品で評価を集める山本政志監督が、森岡龍などの若手俳優を迎えて描く、ギャグ満載のゾンビ映画。
現代でも高い人気を誇るゾンビ映画の原点は、他人への違和感、不信感にあると言われている。自分の予想だにしない行動を取り、把握することができない赤の他人。昨日は笑っていたオバさんが、明日には包丁を手に襲い掛かってくるかもしれない。その潜在的な恐怖心が形を成し、言葉を持ち、映画になると、異形のモンスターに変貌する。それが、ゾンビの本性だそう。
その原点論が真実だとしたら、本作は的確にゾンビ映画の核に切り込んだ正統派作品になるだろう。昨日まで「若い子は良いわねえ」と自分を茶化していた雑貨屋の奥さんが、いきなり白目を剥いて襲い掛かってくる。取りあえず、なぜゾンビが出現したのかという答えは最後に提示されるのだが、それは大して意味を成していない。
他人は、狂っている。理解できない。物語を構成しているのは、この一点。
何気ない日常、食事、痴話喧嘩。その端々に唐突に出現するゾンビ御一行。決して世界の終わりを思わせる絶望感は無く、日々の延長線にある事件として冷静に、馬鹿馬鹿しくホラーが生まれる。多少、気味の悪い世界観に対して興味を持てるかが本作を楽しめるか否かの分岐点だが、主演を始めとした主要な女優陣が何故だか美人揃いなので、そこだけ楽しんでいただいても価値はあるだろう。
日常に対して納得できない不安を抱いている方、隣の優しいオジサマに、潜在的に嫌悪感を持つ方、〇直人のおでこのほくろに吸い込まれそうと恐れおののく方には是非、この不条理コメディホラーで気分転換していただきたい。
ホラーとしては、絶叫して夜も眠れないほどの恐怖があるわけではないので、コメディとして観賞していただく方が適切な作品であろう。
が・・・・
物語の序盤、夜も更けた家の窓にいきなり、いきなり怒った形相の女性が映り込む。え・・まだゾンビは出ていないのだけれども?えっと・・彼女は、どなた?演出?撮影のミス?それとも・・・
それとも?
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