「オタクの星、ギャレス・エドワーズのデビュー作にして最高傑作」モンスターズ 地球外生命体 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
オタクの星、ギャレス・エドワーズのデビュー作にして最高傑作
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結果的に『ゴジラ』と『スター・ウォーズ』と『ジュラシック・パーク』を手がけてしまったオタクの星、ギャレス・エドワーズだが、いまだに最高傑作はこの低予算のデビュー作だと思っている。
タイトルのせいで「怪獣が出てくるのに戦いもしない」と多くの観客の失望を呼んでしまったが、そもそも「戦う」なんてどこにも言ってない。これは宇宙から謎の巨大生命体が飛来し、それらがいることが日常になった世界を旅する、非常に美しいロードムービーであって、怪獣は(重要な要素だが)あくまでも背景にすぎないのだ。
フリーランスのVFXマンだったギャレス・エドワーズは、ゲリラ的に撮影した実景に近未来SF的な要素を合成することで、非常にリアルな現実に根ざした別世界を生み出すことに成功した。セリフはほぼ即興だったという演技や物語が、絵としての美しさにみごとにマッチしていることも奇跡としか思えない。孤独な心がほんの少し触れ合うロマンチックなロードムービーとして、もっともっと評価されたり多くの人の目に触れてほしい作品だと思っている。
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