劇場公開日 2011年10月1日

「子供でも楽しめるようにしたかったのかな」はやぶさ HAYABUSA 水田 裕二さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0子供でも楽しめるようにしたかったのかな

2011年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

「はやぶさ HAYABUSA」観てきました。
この映画は、皆さんも知っての通り昨年帰還した、JAXAのはやぶさのドキュメント映画です。ドキュメントと言ってはJAXAの方に失礼にあたるかと思うくらい、脚色がついてるのでドキュメントではないですね( ̄∇ ̄*)ゞ

 物語は打ち上げ前から、帰還までの七転八起が描かれていますが、イマイチ納得がいかないのが、回想シーンとか妄想シーンがいらないような気がしました。笑わせようと努力している感がふしぶしに感じられます。元々シリアスな話しですから、無理する必要はないのでは?

 さてこの映画、夢を持つ子供達に是非観て欲しい映画と感じました、映画の中で「失敗ではなくて成果だ」というセリフがありますが、これは人生においてうまくいかない事が沢山ある中で、それは失敗という言葉ではなく成功に近づくための成果ととらえるという描写は感慨深いものがります。

 また、多くの人がプロジェクトの結果をみることが出来ないってところも考えさせられました。長いプロジェクトになると、それぞれの事情により結果まで携われないという点が、研究者のさだめというのがセツナクなりました!逆に言えば、すぐに結果がわかるということは非常にありがたい環境なのだと思った、今の自分の仕事や私生活などは早い段階で結果がわかる。これを失敗ではなく成果という考え方に照らし合わせれば、次に何をすれば良いのか?少し答えに近づいたように思う。

 この映画の最大のクライマックスは、はやぶさが大気圏で燃え尽きるところだが、ここの部分は実写を交えて欲しかった。あまりにCGで大げさに描きすぎている点が逆にひいてしまう。

 最後に、映画全体があわてて作った感がにじみ出ているのがもったいない、せっかく題材がすばらしいので、もっと時間をかけて作り上げても良かったのでは?とはいっても、あわてて作ったわりには良く出来た映画です。

水田 裕二