「明るい未来を描けない全ての人へ。」ヒミズ ゆなさんの映画レビュー(感想・評価)
明るい未来を描けない全ての人へ。
私は園子温作品と「合う」のだと思う。この作品も、私は好きだ。
ぶっとんだキャラクターも。「撮りたい画」に強引に引き摺り込むような作りも。そのわりに単純で真っ直ぐで青くて、ともすれば陳腐とも言えてしまいそうな メッセージも。
苦手な人は苦手なのだろう。でも私は好きだ。
親に愛されないふたりの主人公。そこに希望はない。ひとつもない。
でも、そこにはふたりの命がある。いや、ふたりだけじゃない。ホームレスたちの命も。
結局彼らは生きていて。希望なんてなくても生きていて。ひとりぼっちにもなれなくて。
死んでしまうには少し、もったいないのかもしれない。
今はひとつもない希望を、いつか少し、見出だせるのかもしれない。
明るい未来を描けない全ての人へ。単純で真っ直ぐで青くて、ともすれば陳腐とも言えてしまいそうなメッセージ。
「希望なんてない。夢だってない。でも、それでも、生きていく。」
染谷将太と二階堂ふみの演技については、「すごい」の一言。それに尽きる。
原作は未読。読んでみたいと思った。
茶沢さんのある言葉がとても印象的だったのだが、原作にもある言葉なのだろうか。
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