幸福(しあわせ)のスイッチのレビュー・感想・評価
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親の背中を見て育つ・・
無名の女性監督のマイナーな映画にジュリーが出演しているのが驚きでした、出演動機は脚本に惚れたからとか・・。
いかにも日本人らしい、特に地方では住民同士が助け合う文化が根強かったから、こんなイナデンのような客想いの電気屋さんが重宝がられていたのでしょう。
残念ながら劇中でも出てきましたが大手の量販店によって淘汰されるのも時代の流れでしょう、ノスタルジックに思いながら鑑賞。
人づきあいが苦手で不平不満ばかりで終始不機嫌な主人公玲(上野樹里)が実家の電気店を手伝ううちに、父(沢田研二)の生き方に触発され、子供のおもちゃを直して感謝されたり補聴器をおばあさんに売ったことで感謝されて承認欲求を満たされたのか、性格が変わってゆくお話、誰かの役に立ったり感謝されることで幸福感を得るスイッチが入るのでしょう。
悩める若者向けの地味な田舎の電気屋さんのお話でした。
頑固親父
年末に出産したという本上まなみの妊婦姿は本物だったのか・・・この映画の安田真奈監督も一日違いで出産したとかで、なんだかおめでたい映画です。そして、仕事とは何ぞやとか考えさせられるところもあり、特に仕事で迷ってる若い人たちに見てもらいたい映画でもあります。ある程度年齢を重ねてしまうと、田中要次目線や沢田研二目線で見てしまい、上野樹里にはガツンと言ってやりたくなるような前半部分。だけど、若い頃には失敗や妥協を許さないところもあったな~と反省もしてしまいます。
大型家電店の進出により個人商店は経営難に陥ってしまう世の中。安けりゃいいってものではない!「売ってなんぼ」だけでは真の商売にはなり得ない。アフターフォローこそが商売の基本だと信念を持つ沢田研二イナデン社長は地元のじいちゃん・ばあちゃんにも人気があるのです。入院してもケータイ一本でしっかり営業しているところは見習うべきものがあります。
そんな地道な商売をしている電器店であっても次女怜は反発してばかり。長女・三女がしっかりしているだけに、怜のわがままさが幼さが目立ってしまう。それに三姉妹の細かな性格の違いがしっかり描かれているし、仕事一途な父の気持ちもよく伝わってくる。家族間の確執なんかは大きくもなく、傍目で見ると平和な家族のようなのですが、顧客から見た店員の接し方などは実生活でも参考になるくらいなのです。
ホームドラマでも充分だという見方もあるようですが、なんとなく松下幸之助の教えまで伝わってくるようで、商売する人も人間関係に悩む人も納得できる作品かも・・・
【2007年映画館にて】
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