気球クラブ、その後のレビュー・感想・評価
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『人間の5年は長い』って? 少なくともこの人達は何やっているのだろ...
『人間の5年は長い』って?
少なくともこの人達は何やっているのだろう?ずっと同じ事やっでいる。
実験的映像って、何を実験しているのか?
この映画を一回見ただけで『懐かしい♥』にはならないだろう。
出演者はほぼ全員見た事がある俳優で、何人かは今でも俳優をやっでいるようだが、区別がつかない。また、元より名前など知らない。
そもそも、熱気球は熱源がなければ浮かない。村上氏の部屋に浮かぶ風船はヘリウムか水素を充てんした風船。そもそも物性が違う。熱気球には一回だけ乗ったことがあるが『素晴らしい風船旅行』とか『八十日間世界一周』の様なロマンは無いと思った。今の日本の法令ては、風船で移動出来ないからだ。基本は浮かんで、同じ場所に降りる。風が強ければ流されるが、素人が一人で着陸出来る代物では無い。
大学生の卒業制作に作った映画に見えた。
ガラ携、タバコ、バーベキュー、Macコンピューター、荒○由○は、彼等の青春と一緒にこの世から去った。所謂、バブル崩壊後のジャパニーズカウンターカルチャーなんだろうな。
いずれにしても、人物設定も時代設定もそして相関関係も分かりにくい。また、主旨がありきたりで、時間が行ったり来たりで、非常に分かりにくい。
村上さん、バイクで事故ったってよ
園子温Movieとのことで鑑賞。
物語は、気球クラブのリーダー村上さんのバイク事故から始まる。
村上さんの事故を、リレーのように電話で伝え繋いでいく。
最初はこの形式で、ダラダラと緊迫感のある(?)映像が続く感じで、正直内容が掴めずモヤモヤ。
ようやく落ち着いたのは、主人公が分かってからでした。
ちょうどそのあたりで、村上さんの死も判明。
桐島的な、みんなのヒーロー喪失物語。
そこからは、主人公の回想シーン(時々現代パート)。
気球好きも、そうでない人も、気球クラブで過ごした青春。
楽しかったあの頃、巨人の目になるはずだった気球BAR。
村上さんの死をきっかけに再び集まり、これを契機に気球クラブを正式解散。
そして、気球に夢を乗せたあの頃を過去に葬り、新たなスタートを切るために、みんなで行う電話番号とメアドの全消去。
とても良いシーンでした。
そして、なんとも言えない雰囲気を漂わせていた、ヒロイン美津子。
口で多くは語らない美津子ですが、気球でプロポーズを受けた時に、地上で指輪を受け取りたいと言ったのは、気球(空)ばかりの村上に、普段(地上)の自分を見てほしいという、美津子なりのメッセージだったんじゃないでしょうか。
村上の部屋のバルーンの手紙に対しても、そういうことなんじゃないかなと思いました。
早く降りてきてほしい。早く自分だけを見にきてほしい。
美津子にとって村上は気球そのものだった。だからこそ。
ピグモンみたいに、風船背中に付けてる長谷川朝晴さんが可愛かったのと、今と全く変わらない江口のりこさんも印象的でした(余談として 現在放送中の『ソロ活女子のススメ』の予告にて、江口のりこさんが渡瀬の気球に乗ってました これ以来でしょうかね)。
未解決な部分、謎な部分も多かったですが、永作さんの最後の涙が全てのような気がします。
たまにはこういう園子温も悪くない。
園子温っぽくはないけれど、園子温らしい?(良い意味で)ダサさも感じれる一本でした。
矛盾だらけの駄文すみませんでした。
以下、個人的に気になった&気に入ったセリフ
↓
私ね、気球にブスって穴開けてやりたくなるの。
明日は燃えるゴミの日だから、“あなたの番です”
(もちろんこっちの方が断然前なので、無関係とは思いますが)。
みんなって言ったって、誰がみんななのかわかんないけどさ。
元々、野ざらしのくそったれの夢だったわけですから。
人の気持ちを宙吊りにするのが得意なようだね。
上の空くん。
青春群像劇
愛のむきだし、冷たい熱帯魚とは全くイメージの違う作品でした。
こういうのなんて言うんだろう、青春群像劇?かな。
日本人の18~24歳くらいまでの、なんとも言えない心の揺らぎというか。
それをリアルに描いている作品でした。
ぼんやり思ったのは、日本人以外が見ても全然シンパシーを感じないんだろうなと。
それくらいリアルに、日本の学生時代を描いている作品でした。
これは、繋がりたいのに繋がれないどこかやるせない若者たちの想いと、美津子と川村の物語。
「クラブ」に所属していたころにはあんなにも熱く語り合って、あんなにも楽しく盛り上がって、毎日のように一緒にいたのに、「クラブ」という集まりがなくなった途端、みんなバラバラになっていく。
ただ、「うわの空」というコミュニティの名前があるだけで、あんなにも強く繋がれたのに、それがなくなっただけで人たちは簡単にほどけてバラバラになってしまうんだろう。
新しい生活の中で時に思い出すけれど、今更、と思ってしまう。
実際に川村の悲報が入った時に、何人かが口をそろえて言った。
「でも俺実際川村さんとはそんなにあれだったし。」と。
離れて初めて、そんなに知らなかったんだって事を知る。
そしてやっと昔を一コマずつ思い出し、あぁあんな人だったなと思う。
川村の悲報をきっかけに、気球クラブは再集結をする。
昔のことを話し、今のことを話す。
あぁ、すごくいい時間だなと思った。
離れていた人たちが、集まって、今の自分で昔の誰かを見つめて、きっとあんなことを考えてたんだろうな、あの行動にはあんな意味があったんだろうな、そう考えてやっとその人のことを少し知る。
川村は死んでしまったけれど、すごくいい時間だと思った。
誰かが、「なんであの人気球で死なないんだよ、事故なんだよ」と言ってた。
それだけで彼のことを分かって、想ってる証拠。
さて、印象的なシーン。
「それぞれの携帯電話およびメールを抹消しましょう」
川村の死をきっかけに集まった気球クラブのメンバー。
久々に気球の中で酒盛りをし、メンバーの一人が切り出す。
「これでもう二度と会うこともないでしょう。よって、それぞれの携帯電話及びメールを抹消しましょう。」
そして、一人ずつ、データを消去していく。
なぜ、こうしなければ私たちは前に進めないんだろう。
携帯電話は決して悪いツールじゃない。
映画の中で誰かが言った、「こんなものだけでしかつながってないのかなぁ」と。
携帯電話を持って。
悪いものではないのに、私たちを苦しめる。
会いたい人に連絡が取れるようになったのは素晴らしいこと。
だけど、会わない人に、後ろ髪をひかれる思いのある人のデータが、ただ文字として携帯電話に入っていることはとても辛いこと。
だけどそれを消すのはとても勇気のいること。
消したから、なんなのって思う人もいるかもしれない。
でもきっとこれは彼らにとって必要な儀式だったんだと思う。
バラバラになったんだって事を、ちゃんと思い知るための。
自分たちはもうあの頃の自分たちじゃないって思い知るための。
そうして前に進んでいくことで、正しい切なさで過去を思うことができる。
ただ、データを消しているシーンなのに、涙が止まらなかった。
それぞれの思いをセリフではっきり語らせるわけではない。
だけれども、1時間半を通して、じわりじわりと思いが伝わってくる。
とてもいい映画だったと思います。
みんなかすかにつながりながら、離れながら、それぞれ生きていくのね。
なんでもない、そんな日にふと、見上げた時に、あぁあんな日もあったなと思うことがある。
そして、ああ、あの日はもう二度と戻ってこないんだな、と思う。
そして、さあ、これからも生きていこうと思う。
そうやって塗り重ねて、生きていく。
ずっと誰かと手をつないだままじゃ進めない。
過去にすがるなと、そんなのはださいとみんな言う。
だけどいいじゃない。
たまに思い出して、切なくなるくらい。
そんな日もあるよ。
とおもったり。
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