「気持ちのいい涙」ソウル・サーファー 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
気持ちのいい涙
腕をサメに食べられてしまった13歳の女の子が、退院即サーフィン復帰という日本では考えられない行動をとっていたのでびっくりした。
しかも怪我をする前に地区大会まで勝ち進んでいて、腕がないのに猛特訓をして大会に出場していたのでなお魂消た。日本では大会側が出場させないだろう。そこで手加減しないライバルに「あの人は私を対等に見てくれた」と感謝する主人公のガッツにも驚いた。
しかし地区大会での惨敗に心が折れてしまうのだが、どう考えても出場したりするどころか、サーフィンが出来ているだけでも凄すぎるんだけど、彼女の目指している地平の次元が違いすぎて本当に凄い。パラリンピックではなくて、障害のない人、しかも相当な実力者に打ち勝とうとしているのだ。一点の曇りもなくサーフィンが出来ると思っていて頑張れば勝てると思っていた。ところが負けてしまったため、心が折れてしまったのだった。
そんな主人公がタイの津波被害ボランティアに行った際、それまで自分の事しか考えていなかった彼女が初めて他者のために気持ちを振るわせる場面があり、それが心の成長となり復活につながるところなどベタなのだがとても感動してしまった。
そして大会に再び出場する際の猛特訓のド根性ぶりに涙が溢れて、大会での素晴らしいパフォーマンス、友情にも感動して涙がとまらなくて困った。人を応援していて感動して泣くというとても気持ちのいい涙だった。何から何まで想像を絶する驚愕の映画だった。
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