劇場公開日 2011年9月3日

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監督失格のレビュー・感想・評価

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3.5やがて訪れる衝撃!

2018年6月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

幸せ

フィクションとは、ドキュメンタリーとは。死体現場に遭遇のシーンはワンカメ長回しで息が止まる。別れたくない!ラストは監督がチャリで夜道を爆走しつつぶつぶつ喋りながら幕。林由美香はフィクション性が高いと感じた。しあわせなバカタレとは監督に向けたことばなのかも。

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mimiccu

3.0“業”

2014年2月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

難しい

心の一番 柔らかい部分の、更にまた純粋で脆い部分。良くも悪くも、本気で刺激し合った者達だけが溺れ得る、喪失に対する“抵抗”と“受苦”の暗黒の海。決して癒えない傷を「どう自分自身取り込んで行くのか」。 足を踏み入れ、引き摺り込まれた人間は その痛みと やるせなさの過程に、絶句するに違いない。 そして その苦行を乗り越え、自ら“業”だと信じる世界へと帰って来た平野勝之監督。 “業”は、人を蘇させるのか。はたまた、“業”に、人が取り憑かれているだけなのか。

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"Auggie" Wren

4.0オナニー晒す人と凝視する人

2013年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

――しあわせですか? ――うん、しあわせですね かつての恋人との思い出のシーンを捨てたとき、平野勝之の絶叫は「ほんとう」のものになった。  18歳でヤングマガジンのちばてつや賞を受賞し、将来を期待された漫画家であったにもかかわらず、突如漫画を捨て8ミリフィルム映画を自主制作しそれも処女作で受賞。その後AV業界に転じ、そこでも天才の名をほしいがままにしてきた平野勝之と、「最後の映画女優」といわれ、ピンク映画そのものだとも評された伝説的AV女優の故・林由美香(『たまもの』を観れば、その彼女の圧巻の演技に出会えます)との長年にわたる関係を描いたドキュメンタリー映画。『監督失格』という題名、また予告映像のくどいまでの平野の語り、そして庵野秀明プロデュースというふれこみから制作者達のオナニー感まるだしの作品と思いきや(確かにオナニーなのだが)、個人的には庵野秀明監督のエヴァンゲリオン以上に人類補完計画を完成させた作品であるという感想を持った。  このドキュメンタリー映画は誠実な作品である。「誠実」という表現がやや陳腐であるとしたら、敢えて「ほんとう」の作品という言葉で形容したい。そこには、ドキュメンタリーにありがちな撮る側の企みが全く感じられず、平野勝之をはじめとする、林由美香にまつわる人たちの「ほんとう」の気持ちがつまっているからだ。そしてこの「ほんとう」は、平野勝之と林由美香との長年の関係、そして平野という男の根底にある、「ほんとう」への渇望によって担保されているのだろう(実際平野のこれまでの作品をざっとみるだけで、彼の作品が突き抜けようとする葛藤によって成り立っていることが分かる)。これらが非意図的に積み重なり、そして最後に庵野秀明の作為によって、この映画は「ほんとう」の作品となり得たのだ。  この映画のあり方を象徴的に位置づけるのは、やはり林由美香の遺体を発見してしまった平野と林由美香の母親が狼狽するシーンだろう。私生活すらもカメラに差し出していた平野は、作品の前後すべてをカメラにおさめていたため、林のアパートへの訪問、彼女との連絡の取れない不審さをも撮り続け、ついには遺体発見までを偶然にも記録してしまったのだ。もちろん、林の遺体が出てきた時点でカメラを止めるのが普通で、人としてはそれが当然だ。しかし平野と林の長年の関係は、平野がカメラを止めることを許さなかった。彼らにはその必然があったのである。それは、映画の題名でもある「監督失格」キーワードに由来する。この言葉は監督の自意識過剰などではなく、林由美香がドキュメンタリーAV『わくわく不倫旅行』で自分と平野の恥部(しかし最も重要な)を撮り逃した監督に対し当てつけられたもので、いかなるときもカメラを回すべきであるというプロ意識からくるこの林の言葉は、この映画を「ほんとう」のものにし続ける遺言となった。この言葉を以てして、後半(前半は『わくわく不倫旅行』の総集編となっている)、まったく登場のないはずの女優は常にその存在感をフィルムに染み込ませるのである。さらに、この言葉が林由美香の死後、作品を撮れなくなっていた平野をつき動し、林由美香の母が自分の娘の死を記録した映像を世に出すことを認めさせたのだということを考えたならば、なんと不謹慎な幸運の結果にして、映画史上類をみない適切な題名だろうか。  この映画は、最愛の女性と最高の被写体を失った男・監督の、喪失と再生の物語だ。ラストの平野の喪の作業は何とも単純で稚拙だが、数時間の限りなく「ほんとう」のこの映画を観た後、観客は平野の激走と咆哮によって、「ほんとう」の人類補完計画を目の当たりにするのである。 『わくわく不倫旅行』でウンコを食べちゃう林由美香の可愛さ(今作ではそのシーンはカット)、同作で大自然に囲まれた道路の真ん中でオナニーに興じる平野の愛らしさ(やっぱりカット)、由美香ママの寝た子を殺すような目つきの美しさ、アスファルトに染みる優しい雨を撮ったカンパニー松尾の涙の温かさ(このシーンが実は一番好き)、この映画の鑑賞後、AV業界への色眼鏡はあなたから強制的に取り外されることだろう。 しかし、どうも庵野秀明という男は相変わらず他人のオナニーに興味津々のようである。※相原コージ『一齣漫画宣言』あとがき参照

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13番目の猿

5.0まず観てみることをお勧めします。

2012年1月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

林由美香と言えばまず思い出すのは平野勝之。彼がなにをどうやって林由美香を描くのか、その興味だけでずっと気になっていたわけで・・・ スタッフロールが流れた瞬間、ボーっとしてました。「俺はいま、とんでもないものを観たのではないか?」。 『それは一本のビデオテープから始まった』といえば『あんにょん由美香』と同じセリフになっちゃいますが、そのテープがあまりにも凄かった。確かにこれがあったら林由美香が亡くなってから5年間何も撮れなかったという気持ちがよくわかる。 けれどもそれが無かったらこの映画は存在しないし、平野氏自体もう映画は撮らなかったと思う。 じゃあ何故作ったのか? 『あんにょん由美香』で松江君が平野氏に挨拶に行った時、「俺はいまやれないね」って語ってました。それをやってしまった。多分それは「林由美香の呪縛を取らなきゃ前に進めないんじゃないか」と。5年間なにも出来なかったんだから。 プロデューサーの庵野秀明もエヴァの呪縛があるから。 感動とかそういうものじゃない。言ってしまえば平野氏のおのろけ映画ともいえるが、好きな人におのろけても別にいいじゃない。 ただ見終わった瞬間、平野氏は映画を辞めるんじゃないか?と思ってしまった。 上映後、寺脇研とトークしてたら、話がどんどん進んじゃってティーチインが無くなって仕舞いましたが、寺脇氏の計らいで「出口で監督にいさせますので面白かったとか、この糞野郎とか声かけてください」と言われたので、閉会式があったのですが、別に関係ないのでいの一番に挨拶に行きました。 私「次回作はあるんでしょうか?」 監督「もう企画があります」 私「あのー、松江監督と不仲なんですか?」 監督「そんなことないですよ。試写会も来てくれたし。まぁ彼がどう思っているのかわかりませんけどね(笑)」 私「次回作、期待しています。頑張ってください!」 と、握手してきました。両手で握手してくれました。その時の監督の笑顔は清々しいものでした。 吹っ切れたのかな? 情熱を感じました。素晴らしい映画だと思います。 お近くで上映されたら見にいくことをお勧めします。 これはドキュメンタリーである最大の恋愛映画です。

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青山大輔

4.5

2011年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

幸せ

はじめは、延々とプライベートの8㎜を見せられているようで(←実際そうなんだけど)、何だかなあ、と思っていたが、やがて目がスクリーンに釘付けに。作りモノのお話ではなく、私的ドキュメントですが、たしかに映画になっています。 これは、見るべき1本ですね。 誰もレビュー書いてないので、書いちゃいました。

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nyaukichi