劇場公開日 2011年7月23日

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「「サラの鍵」でダイジェスト化した部分を補填しているかのような印象が…」黄色い星の子供たち KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「サラの鍵」でダイジェスト化した部分を補填しているかのような印象が…

2024年10月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

第二次大戦中のユダヤ人の悲劇に触れた映画
を紹介している書籍に
この作品のことがあり、
その中で扱われている事件が、
私にとっての大感動作「サラの鍵」と
同じ背景の出来事と知って鑑賞した。

驚いたのは、この作品は、
一部のユダヤ人が医師の手配で
冬季競輪場から脱出するエピソード、
また、収容所での母親と子供の引き離し、
更には、子供が収容施設から脱出するシーン
等々、
何か、「サラの鍵」でダイジェスト化した部分
を補填しているかのような印象を受けた。

また、ほぼ全編、淡々と事実に沿った
悲惨な状況を描いていた印象もあったが、
ラストシーンでは
史実から少し離れたかのような
“…子供たち”の邦画タイトルに相応しい
エピソードに涙を誘われた。

しかし、その史実への踏襲が勝ち過ぎ、
ただただ悲惨な事実描写に徹した演出の分、
「サラの鍵」のように、
二人の主人公の思索に心寄せられたり、
追い求めた女性の同じ名前を
自分の娘に命名するという、
何度観ても号泣させられる
“希望のラストシーン”には及ばなかった
かも知れない。

KENZO一級建築士事務所