「宇宙飛行士だけにキャラに足が着いちゃいない」宇宙兄弟 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
宇宙飛行士だけにキャラに足が着いちゃいない
『テルマエ・ロマエ』に続いて、コミック実写版の観賞だが、こちらはまだ未読。
故に先入観なく世界観に向かい合えたがクールな弟(岡田将生)、熱い兄(小栗旬)どちらのキャラクターにも感情移入するのに時間が掛かってしまった。
夢に向かって順調にステップアップしていく弟は現場の壮大な宇宙空間を、
何度も挫折を味わった末ようやく採用試験に挑む兄はオーディションの過酷さを、
様々な角度から宇宙飛行士が出来上がる工程を追う夢と現実
の層にサンドイッチされた展開は面白い。
しかし、『アポロ13』と『ライトスタッフ』を観た世代としては、2作の中間点のようなどっちつかずの完成度を感じ、消化不良だった。
(カプリコン・1も同世代だが敢えてスルーする)
『岳』を彷彿とさせる小栗旬の暑苦しいテンションも掴みづらい要因の一つと云える。
あと、自分が腑に落ちないなぁ〜と思ったのが、チャレンジャー号爆発やコロンビア号空中分解etc.の悲劇には一切触れていなかった事だ。
ガガーリンやアポロ11号etc.偉業を伝えるのも大事やけど、栄光に辿り着くまでに数多くの尊い命が犠牲になった事実にも焦点を当てるべきやったと思う。
宇宙飛行士だけにキャラがフワフワ足が付いてない感じの映画だった。
(座布団取らんといて…)
では最後に短歌を一首
『先越され 月に旅立つ 星を追い 夢に続けと 打ち上げ花火』by全竜
コメントする