「観るのに覚悟が必要な、そして一度観たら忘れられない作品」サラの鍵 ぽんぱるさんの映画レビュー(感想・評価)
観るのに覚悟が必要な、そして一度観たら忘れられない作品
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何度思い返しても、小さな弟を納戸で発見した時のサラの気持ちを思うと胸が締め付けられる。
サラが小さな弟を納戸に隠した時の気持ち、強制連行された後に弟が心配でたまらない気持ち、そして納戸で変わり果てた姿の弟を発見した時の気持ち。
そして、待望の妊娠が分かると同時に、自分の義父が住んでいたアパートがサラの住んでいたアパートだと、サラが変わり果てた姿の弟を発見したアパートだと知った時のジュリアの気持ち。
それぞれの気持ちが痛いほど伝わってくる、というよりも襲ってくる映画。
自分がサラだったらと思うと、自分だけが幸せに生きていくなんて耐えられない。
そして自分がジュリアだったらと思うと、望んで望んで望んでやっと授かった我が子を中絶なんてできない、ましてやサラの人生を知ってしまった後で、自らが授かった新たな生命を絶つなんて出来るわけがない。
ジュリアが(ジャーナリスト魂からか)過去に起こった惨劇から目を背けることなく、事実が明らかになるまで調べ尽くし、それによってサラの息子にも事実が伝えられ反発されるが、最後にはその事実が受け入れられ、そしてジュリアが連れていた幼子の名前が”サラ”だと分かった瞬間、観ている私たちまで言葉を失う。
そしてそのサラが無邪気に遊んでいる姿に救われる。
観るのに覚悟が必要な、そして一度観たら忘れられない作品だと思う。
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