劇場公開日 2012年9月14日

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「これまでに無い終末感と悲愴感を覚える最終決戦前夜」バイオハザードV リトリビューション 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0これまでに無い終末感と悲愴感を覚える最終決戦前夜

2012年9月15日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

ポール・W・S・アンダーソン監督&ミラジョボ主演の人気作も、
5作目ともなると流石に息切れ……そうなると思っていた。

だがどーよ、見事な海面浮上!
停滞気味だった前作から誰がこんな展開を予想出来たろう?
真の黒幕、まさかの協力者、新たな仲間……
この映画は単品では機能しないが(つまり1〜4未見の方にはサッパリな展開だが)、
過去シリーズを総括するような展開、場面そして音楽、
そして最終作への布石がガンガン登場する。

ケレン味と緩急のあるアクションも相変わらず見事。前作から大幅増量で飽きさせないし、
逆回転、白い回廊、雪原での格闘戦は特に趣向が凝らされていて◎。

原作ゲームから登場したキャラ達は——
まあファンから批判が出そうな風貌&展開だけど、
パラレルワールドみたいなものだと思えば、ね(苦笑)。

そして、壮絶な決戦を予感させるラスト。
次は、人類vsあの黒幕との最終戦争となるのか?
ひょっとしたら……不出来に終わったあの『ターミネーター4』で僕らが観たかったものを、
次回この映画が観せてくれるのではというとんでもない期待すら抱いている。

きっと皆さん、僕が本作を大袈裟に褒め過ぎだとお思いだろう。
そうかも知れない。鑑賞後の興奮に任せてこのレビューを書いているから。
実際、ストーリーはご都合主義極まりない。リアリティや整合性など皆無に等しい。

だが、全体から受ける印象が実に不思議なのだ。
僕は本作で、過去シリーズやその他のアクション映画を観た後には感じない余韻を覚えた。

何なのだろう、この全編に漂う、言い様の無い悲愴感・終末感は?
意思なきままに操られる屍たち、
躊躇いもなく銃口を向けるかつての仲間、
商品のように並べられた無数の人間の抜け殻、
都市を覆う白いグリッドの窒息感、
爆炎に瓦解する青空、
このとびきり現実的な悪夢の如き世界観。バーチャルナイトメア。

そして、アリスと“娘”ベッキーとの不可思議な絆。
シリーズを通して初めて涙が出そうになった。
それら全てをひっくるめた、何とも言えない物悲しさのような余韻が、鑑賞後の今も残っている。
あのどこか切ないスコアが寄与する所も大きいのだろう。サントラ欲しいわあ。

危うく傑作手前の判定4.5を付けそうになったが、呼吸を置いて4.0で!
最終作が早く観たいです、御夫妻!
それまでくれぐれもおしどり夫婦でいてね(笑)

<2012/9/15鑑賞>

浮遊きびなご
りりーさんのコメント
2012年9月21日

きびなごさん、こんにちは。

バイオハザード、ご覧になったのですね。
きびなごさんのレビューを読んで、
「はて、私は何点付けたのだろう???」と急に心配になり、確認しました。
ありゃりゃ~。。。でした。
点数を変更しました。
勢いって怖いですね。

次回作はおそらく最終章となりそうですね。
どんな戦いが待っているのか。気になります。
公開は来年でしょうか。

ミラ&監督で、何やら新しいゲームの映画化の話があるようですが、
こちらも期待したいです。

「ベーグル」は、きびなごさんには思い付かれなかったようで、何だか嬉しいです。
↑コラッ!とお叱りを頂きそうですが(笑)。

お仕事、お疲れ様です。
毎日、お忙しいのですね。
頑張ってくださいね。
くれぐれも、コメントの返信に、お気遣いなきようにお願いますね。

りりー