「ただ、ひたすら美しい。」秒速5センチメートル(2007) ゆめさんの映画レビュー(感想・評価)
ただ、ひたすら美しい。
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生きていく中で、会えなくなったひとが、会うことを諦めたひとが、どれだけいることだろう。
なのに、それでも、会いたいひとのどれだけいることだろう。
求めるひとの、どれだけいることだろう。
それを知っている今観たからこの作品はこんなに胸が苦しくなるんだろう。
そして新海誠監督特有の映像美がそれをまた増幅させる。空が、雲が、雪が、桜があまりにきれいで余計に哀しくなる。
劇伴も哀しくてきれい。ラストの山崎まさよしの主題歌もずるい。。
※以下、別作品「君の名は。」のネタバレあります。
「君の名は。」も会いたいけど会えない誰かがいる。その会いたい気持ちを元に、失った空白を埋めようと求め、行動して結局は埋めることができる話だけど、この作品はそれを埋められない。
2作品に共通した「失ったなにかを求め続ける」という苦しさや痛み。これは「君の名は。」を観たときにわたしを虜にして劇場に足を何度も運んだけど、そういう意味ではこの作品もすごく好き。
そしてラストに残る苦しさ、哀しさ、それゆえの美しさの余韻はやはりこの作品が大きい。また観たい。
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