劇場公開日 2013年12月6日

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「フシギノクニ、ニッポン!」47RONIN 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5フシギノクニ、ニッポン!

2014年4月8日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

興奮

「忠臣蔵」をモチーフにしたファンタジー・アクション。
日米スターの豪華共演、制作費170億円、そして題材と言い、話題作ではあったが…

びっくり仰天の怪作である。
そもそも、「忠臣蔵」を題材にする必要あったのかな??

「忠臣蔵」と切り離して、異国感漂う一ファンタジーとして見ればそれなりに楽しめる。
仇討ち物語は勿論、異端児として蔑まされてきたカイと赤穂浪士の間に育まれる絆、ミカ姫との身分違いの恋、VFXをたっぷり駆使したアクション、妖術は出るわ、物の怪は出るわ…何でもござれ!
ここまでイマジネーション豊かに作ればもう天晴れ!
同じ時代劇をベースにしながらも、自分陶酔のビジュアル優先だった紀里谷の「GOEMON」と比べれば、ずっと娯楽に徹している。

だけど何故か満足出来るものではなかった。
ドラマもアクションもVFXも、何処かで見た覚えあり。物語の要であろう自分の存在意義や試練に打ち勝つ心などの要素も。
一応サムライの話なので、武士道精神や主君への忠誠も描かれているが、結局はハリウッドから見た異国の変わった風習。第三者的な感触は、「ラストサムライ」と変わり映えしない。

役者陣も本来の実力を出せていない気がした。
それでも、真田広之はさすがの存在感。調べてみたら、ここ数年出演した作品は海外の作品ばかりで(最後に出演した日本映画は2005年の「亡国のイージス」)、国際派スターとして何の違和感もない。

監督のカール・リンシュはデビュー作でいきなり大赤字を出してしまい、暫くハリウッドを干されるだろう。彼にとっては黒歴史に…??

数年前に本作の企画を聞いた時、怪しい感じしかしなかったが…
それに偽りはなかった。

最後に外国の方々へ。
この時代の日本に、妖術も天狗も竜も居ません。あしからず。

近大