劇場公開日 2013年12月6日

  • 予告編を見る

「ハリウットが手掛けた忠臣蔵」47RONIN bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ハリウットが手掛けた忠臣蔵

2018年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

日本では誰もが知る、47人の赤穂浪士による仇討時代劇をモチーフに、VFXを駆使して描いたハリウッド版『忠臣蔵』。単に史実を忠実に描く時代劇とは一線を画し、そこは、ハリウッド。VFXもふんだんに取り入れて、壮大なスペクタクルなアクション・ファンタジーとして仕上げている。

主演は『マトリックス』のキアヌ・リーヴスだが、真田広之や浅野忠信、柴崎コウ、菊地凛子といった、国際的にも活躍する日本人俳優を、主要人物として起用している。日本人の魂とも言える時代劇を、ハリウッドらしい斬新なアイデアと視点と共に、リメイクしているのは、嬉しい限りである。

ストーリーは、吉良の裏切りによって、浅野家のお家取り潰しとなった赤穂浪士47士が、大石内蔵助の士気の元、主君・浅野内匠頭の仇討として、吉良を討ち取るという『忠臣蔵』が、メインス・トーリー。そこに、浅野家に拾われたはぐれ者のカイも赤穂浪士に加わり、吉良家に奪われた浅野家の娘・ミカの奪還も、盛り込まれている。

そして、カイが武術を学んだ天狗や吉良家を妖術で操る魔女、猪のバケモノの様な怪物等、様々な魔物まで登場させ、ダーク・ファンタジーとしての色彩も濃くなっている。そして舞台となる城やその風景なども、日本の時代劇とはひと味もふた味も違う、奥行きのある壮大な映像がとして映し出されていた。

但し、女性の着物や背景としての山々は、日本の期もの原風景とは程遠く、どうしても中国よりの風景になってしまい違和感はあった。真田や浅野といった日本人キャストやスタッフが、映像づくりについて、もう少し進言して欲しいと思う。

bunmei21