「とても良質なファンタジーバカ映画」47RONIN ヨックモックさんの映画レビュー(感想・評価)
とても良質なファンタジーバカ映画
期待を裏切らなかったバカ映画。素晴らしい!
服装や背景の美術センスが最高で、こういうのは日本人が逆立ちしたって作れない。いちいち背景が遠くまで続く草原と岩山といった具合で壮大で、建物はたいてい中国風。お城は俊鋭な山岳の頂上。ラスボス戦にしろステージ構成にしろ、ダークソウルっぽい。もしくはメタルギアソリッド。
特に印象に残ったのはゴシックな舟がぎちぎちに密集したダークファンタジーな出島(出島をこういう風なビジュアルに昇華できる発想が本当にすごい)や、数秒しか映らなかったけど道端にお地蔵さんのノリで鎮座する10メートルはありそうな仏像。
話も赤穂浪士の設定は申し訳程度しか、本当に申し訳程度しか盛り込んでおらず、結局のところは『隣の悪い城の城主にお姫様が連れされたたので、仲間と試練を受けて伝説の聖剣を手に入れ、ドラゴンを打ち倒して姫を奪還する』という騎士物語風のものになっている。
最期のシーン、介錯なしでの集団切腹ってきっと地獄のような光景だっただろうな…。
しかし冷静に考えると、こんなコッテコテのコンピューターゲームのようなファンタジー映画は、実は思い返すとかなり希少で、それだけでも十分価値のある作品のように思える。
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