「【”本当は抱きしめたいけれど、何があっても私に触らないでね。”毎年の夏出会う、不思議な変わらぬ少年ギンと、成長する蛍との切ない恋物語。】」蛍火の杜へ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”本当は抱きしめたいけれど、何があっても私に触らないでね。”毎年の夏出会う、不思議な変わらぬ少年ギンと、成長する蛍との切ない恋物語。】
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■夏休みに祖父の家へ遊びに来ていた6歳の少女・蛍は、ある日、妖怪が住むと云われる“山神の森”に迷い込んでしまう。
途方に暮れる蛍を助けたのは、狐の面を被った不思議な少年・ギンだった。
それ以来、成長する蛍は、毎年夏には会った時のままのギンのもとを訪れ、徐々に2人は惹かれあっていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作の様な、ノスタルジックで切なくも儚い恋物語は、アニメーションならではなのかなと思う。
・作品の随所で現れる、“山神の森”に棲む妖怪たちも、邪悪なる存在としては描かれず、蛍とギンとの恋の進展をハラハラ見ており、心配そうに”ギンに触らないでね。”という姿も、良い。
・途中明かされるギンの哀しき生い立ちの設定も秀逸だし、冬、雪が降る中ギンが蛍に貰ったマフラーを巻いて、一人空を見上げている横顔も切ないが、詩的なシーンだと思う。ギンは一人で、毎年の冬、蛍を想いながら過ごしていたのだろうな。
<ラストは切ないが、それでもギンは毎年の夏訪れる幸せな時を一年待ち続け、漸く蛍と抱き合う事が出来たのだから、幸せだったのではないかな、と思った小品である。>
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