ロスト・アイズのレビュー・感想・評価
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タイトルなし
主人公が徐々に視力を失っていく展開が本当に不安。自分に置き換えても失明ほど避けたい病気は無いと思うから本当に怖い。だから目の手術後、全く見えない状態で入院を拒み姉の家で生活するって言い出した主人公の行動は、ホラー映画ならではの展開とは言え正気の沙汰ではないと思った。
手術後、主人公が会話している相手の顔を映さない演出は良かった。まるで「犯人は誰でしょうね?」と制作者からトランプを伏せて示されているような感じであるし、相手の顔や表情が分からない失明者ならではの不安を伝えてくれている。ただ、犯人の素顔が判明する迄の顔隠しとしての演出としては弱かった。1回だけ出てきた看護師が入れ替わっていてもなくても、そんなに驚きは変わらない。それに御近所婆さんと犯人が実は親子だっとか、婆さんの目が実は見えていましたって設定も要るのか疑問。有っても良いんだけど、この作品では上手く活かせていたとは思えない。
自身が誰にも認知されない事に不満に思っていた真犯人が、警察に囲まれた時の台詞「俺を見るな」ってのは有りがちだけどグッドでした。
この作品、サブスクや近所のレンタル店では見当たらなかったから、始めて宅配GEOを利用した。また利用します。
目が見えなくなる恐怖
前半は姉サラが自殺した原因、最後の旅行で恋人を伴っていたことへの独自の捜査が中心で、「誰かがいる」と常に恐怖で怯えていた彼女の真相を見つける展開。隣家の娘・リアという存在も気になるところだ。やがて、サラと一緒にいた男をつきとめる寸前に、そのビデオが盗まれ、行動を共にしてきたフリアの夫・イサクがサラと同じように首吊り自殺を図った・・・
「君の瞳の中に宇宙が見える」なんてイカした台詞で愛を育んできた夫が自殺?遺書にはサラと不倫を続けてきたことへの懺悔が記されてあった。同じ顔の女性、同じ失明する病気と闘う女性なんだからしょうがないか・・・などとボーっとして見ていたら、今度はフリアが失明へのピンチ!サラの自宅で過ごすフリアの元へ毎日看護師が世話をしにやってくることになった。彼の名はイバン。そして、隣家の娘・リアが登場。しかし、フリアの目が見えないための演出のため、リアの顔がわからない。そして、真犯人はイバンだと告げるのだ。
偏執的な愛を求める影のような男イバン。なんとなく『トーク・トゥ・ハー』を思い起こさせるキャラクターだ。ギレルモ・デル・トロ製作となっているので、ホラー感覚はばっちり。しかし、犯人がわかってからは、どうしても『トーク・トゥ・ハー』のように男の心理を描いてほしかったが、単なる殺人鬼で終わってるところが残念。それでも目が見えなくなるかもしれない恐怖と、あと4日を待たずに包帯をとってしまったフリアが目の見えないふりをする心理戦は見事だった。でも包丁を突きつけられたら瞳孔が開いちゃうような気もするが・・・
最後にはやがて失明するフリアのアップで終わるが、この余韻を残す表情に涙を誘われる。
高品質のサスペンス
ダークホラーではなく高品質のサスペンス。主人公の目が手術後で見えない状態では、付き添い看護人の顔が終始画面に出てこない巧みな演出。かいがいしく世話をしてはいるものの、顔が見えないというだけで不気味さや怪しさも感じられ、敵が味方か判断ができなくなる。終盤、主人公が包帯をとって目が見える状態になると、その看護師の顔が明らかに。その時の「入れ替わり」の仕掛けも巧妙で、そうだったのかとビックリ。見えているのに見えていないふりをする騙し合いの展開もスリルに満ちている。
リアルな演出が良い
視力を失うってこわいことですね。なんて言う感想になる映画ではありません。
目ごとえぐり出してやろうかくらいの狂気をはらんでる内容ですが、そこをリアルな演出でちょうど良い塩梅にしているところが監督のすごいところかと思います。
突飛な演出もないですがそれでも飽きさせない演出とカメラワークに拍手です。
私的には、最後のほうで犯人と主人公が目が見えているかどうかの探り合いをするのですがああいう駆け引きは凄く好きなので、もっと良い意味で間延びさせて欲しかった。陳腐なかたちでバレてしまったのが残念でした。主人公がバレてないと思ってたが…実はバレてる!くらいの演出が欲しかったです。
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