「サーカス象に愛を」恋人たちのパレード 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
サーカス象に愛を
大恐慌時代。両親も家も失った青年ジェイコブは、当てもなく、列車に飛び乗る。そこは、移動サーカスの列車。ひょんな事から獣医として働く事になったジェイコブは、サーカスの新しい見世物である象の世話を任され、団長の妻でスターのマーリーナと恋に落ち…。
原題は“Water for Elephants”、“サーカス象に水を”。
なのに邦題は、“恋人たちのパレード”。
これじゃあ誰だってラブストーリーだと思う。
確かにラブストーリーでもあるが、サーカスを舞台にした華やかでロマンチックなラブストーリーとは程遠い。
惹かれ合うジェイコブとマーリーナ、妬む団長オーガストの関係はドロドロ愛憎劇。
移動サーカスの実態や、象ロージーとの交流など一本の映画として充分な要素を詰め込んであるが、正直、どれを中心軸に据えたかったのかピンと来ず。
ロバート・パティンソンはやっぱり愛に生きる男。
キャストクレジット順ではリース・ウィザースプーンが主役ではあるが、印象は今一つ。
不甲斐ない二人に代わって存在感を放つのは、団長オーガストを演じるクリストフ・ヴァルツ。
傲慢で独裁的で、動物たちにも冷酷な仕打ちをするが、それはサーカスの経営難から来る切羽詰まった焦り。サーカスの成功でジェイコブをサーカスのファミリーとして迎え入れたかと思いきや、マーリーナとの関係を知ると、憎々しいまでに豹変。
その巧みな演技はさすが。
映画は可もなく不可もなく。
余談だが、僕だったら邦題は“サーカス象に愛を”って付けるけどなぁ…。
それにしても、ロバート・パティンソンの役名が今回は“ジェイコブ”って…ププッ(笑)
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