「敵の「悪どさ」が不十分で満足度低く」ワイルド7 gsacraさんの映画レビュー(感想・評価)
敵の「悪どさ」が不十分で満足度低く
冒頭の銀行強盗制圧絡みの一連のシーンは、邦画には珍しい見応えのあるアクションや、射殺シーンの連発など、「ハード」な内容を思わせるスタートでググッと惹きつけられました。
なのに、何故その後アクションがトーンダウンしてしまうのか・・・
次の出動では、既に制圧は終わってしまったところから場面が始まり、謎のライダーの登場だけに焦点が合わせられるため、原作を知っている方なら付いていけるのかもしれませんが、テンポの大幅な変調で理解が遅れました。
また、さらに不満を積み増したのが敵方の設定。やってることは悪いことと思いますが、なぜこんな奴が野放しでいられるのか、それほどの力を持っているようには見えなかったため(ただの一官僚でしょ?)、例えばパーティ会場で顔を合わせる場面では、簡単に始末をつけられそうなのに見逃さねばならない必然性が全く伝わりませんでした。
ワイルド7たちが攻撃に出向いたところ、自分の部屋までお通しして差し上げるボスの行動も意味不明。個人としての戦闘力が高い訳でもないのに何故自分が大丈夫と思えるのか、映画の流れの中では理解できませんでした。
主人公達に弾丸が当たらないのはお約束なのでどうということもありませんが、悪はもうちょっとちゃんと「悪」で居てもらわないと主人公達のような超法規的対応への感情移入が上手く出来ません。
2011年の邦画は不出来が多かったですね。
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