劇場公開日 2011年12月21日

「キャストやバイクファッション、アクションはいいから……」ワイルド7 aotokageさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0キャストやバイクファッション、アクションはいいから……

2012年1月3日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

望月三起也原作の70年代人気コミックの映画化。元極悪犯罪者たちが毒を持って毒を制すのごとく国家の犬となって、法では裁けない巨悪に制裁を行う。
原作では、警察内部ではその存在が知られていて、襟の階級章は警察署長よりも上位で白バイ警官ごときでは手が出せない。法に守られた悪党たちを最後に懲らしめるところなど、水戸黄門やスケバン刑事のような痛快感があった。一方でワイルド7を手駒としかみない冷酷で非情な草波警視正との葛藤も描かれた。
この映画での7人は、警察組織とも対立するダーティーハリー2の白バイ処刑警官のイメージの方に近いかな。
いまでは絶滅寸前の暴走族が全盛時代のファッションや風俗も再現。原作者の要望に応えてバイクにもこだわった。なんせキャストの中にほんまもんの宇梶剛士兄貴もいるし。予告編でかなり見せちゃっているが、バイクアクションも日本映画としてはがんばってる。
原作を所々掻い摘んで組み立てた物語は、ハイテク化された現在の日本社会を舞台にしているものの敵役があまりに小物過ぎるし、後半はバイオレンスさを薄めるためか細かいところに突っ込み所満載。今回も日本映画最大の弱点である脚本の甘さが露わになってしまった。
続編をつくるようだけど、キャストやバイクファッション、アクションはいいから、脚本を何とかしてほしい。

aotokage