「不要な性交場面と殺された猫。」ドラゴン・タトゥーの女 bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
不要な性交場面と殺された猫。
主役二人の男女の二度に及ぶ性交場面では場内から失笑が漏れていました(久々にボカシの入った映画を見ました)。監督のデヴィッド・フィンチャ―は、どうしても主役の男女(ダニエル・クレイグ、ルー二・マーラ)をくっつけたかったのかもしれませんが、そうした意図がこの作品をきわめて、通俗的なものにしているように思えました。途中、猫の惨殺死体がでてきます。私は精巧な作りものであろうと高をくくっていたのですが、エンドロールを最後まで見ても、「この映画では如何なる動物も傷つけていませんし、殺してもいません」といった趣旨の文言がありませんでした。あの名演技をこなしていた猫は殺されてしまったのでしょうか。もし、映画のために動物を殺していたとしたら、それは許し難い行為です。ストーリーは極めて平凡なものです。古文書と現代の殺人事件を結び付けるサスペンス物なのです。私は「ダヴィンチ・コード」を思い出していました。かつては「セブン」や「ゾディアック」といった傑作を撮っていた監督だけに、今回の映画には不満だらけです。一言で云って、脚本が退屈なのです。仕掛けが安っぽいのです。しかし、脚本自体が殆ど、払底している現在にあっては到仕方ないのかもしれません。日本映画など、酷いものだらけなのですから・・・。
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