「スコセッシが撮る必要があったのだろうか?」ヒューゴの不思議な発明 bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
スコセッシが撮る必要があったのだろうか?
この手の毒にも薬にもならない映画は、もうヤキの回ったスピルバーグあたりが撮れば良かったのではないのでしょうか。児童文学に題材を求めるとはアメリカでも良い脚本の書き手が激減している証左なのではないのでしょうか? 観終わった後、劇映画ではなく、退屈なアメリカのアニメ映画を観たような気分になりました。それから、これは声を大にして言いたいのですが、舞台がフランスなのに全編、英語で押し通す、甚だしい英語中華思想には、もう、うんざりです。この映画をフランス人はどう見ているのでしょうか。決して愉快な気持ちではいない筈です。スコセッシに関してはディカプリオを起用して、遠藤周作の「沈黙」を映画化する計画がある、と数年前から話題になっています。とても心配です。全編英語の「沈黙」でしょうか。昭和46年に篠田正浩が撮った傑作が既に存在していることをこのイタリア系アメリカ人は知っているのでしょうか。スコセッシが黄金の70年代を頂点として、次第に力が衰えていっているのはもう、誰の目にも明らかでしょう(「最後の誘惑」や「グッドフェローズ」といった佳作もあるにはありましたが・・・)。スコセッシ様、どうか、死に花を咲かせて下さい。
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