「何故ハンナは戦う?」ハンナ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
何故ハンナは戦う?
総合60点 ( ストーリー:40点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
文明から隔絶した凍てつく地で父親から密かに厳しい訓練を受けた少女の旅立ちが始まる。敵の基地に何の事前情報もなく潜入して恐るべき能力を発揮して任務を果し、単独で脱出をして合流地点に向かう。
彼女の能力の見せ方や格闘場面や緊張感のある雰囲気を作るのは良い出来だった。主要登場人物のハンナと父親、そして特に彼らを殺そうとするマリッサを演じたケイト・ブランシェットの、他人を騙し生命を自分のために簡単に犠牲にし使用する冷酷で狡賢い演技は良い出来栄えだった。
しかし駄目なのは物語。彼らが何故極地に住み、そこを出て行くのか全くわからない。しかもその際にはわざわざ敵に自らの存在を知らせるなんて意味が無い。都合よく目標とする相手と会えて任務が果せると思い込める理由もないし、何の情報もない敵の基地に侵入するなんて自殺行為だ。
結局のところ、物語は暗殺者ハンナのことを描くために後付けで無理矢理作られただけなのだろう。だから謎だらけであるし、それも作品のために本当に謎にしようとしただけではなく、適当に場面を盛り上げるために設定されていたたけの出鱈目な謎。設定も展開も世界に出たハンナの行動を描くために適当につけられただけのように感じた。何故戦う? こういう話はそれになりに設定をしっかりとしないと駄目。それと戦いの場面には周囲に一般人がいなくなり誰も騒がない・警察も呼ばないというのも不自然。
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