「犬と共演者とアクション演出陣の頑張りは伝わります」DOG×POLICE 純白の絆 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
犬と共演者とアクション演出陣の頑張りは伝わります
えー、ネタバレというか、例によってあまり良いこと書いてません。
映画を気に入ってる方は「ホンマやかましい犬やわあ」
くらいの感じで無視してください。バウワウワウ。
さて本作、
予告編でも使われていた冒頭の爆破シーンを筆頭に、アクション演出はなかなか頑張っている。
冒頭とラストの爆破シーンやチェイスシーンの迫力は悪くない。
しかしそれはやはり、人・犬・炎が“本物”だから。
各所に登場するCG処理された炎には迫力を感じない。
まあ日本じゃフツー爆破ロケなんかさせてくれないか。
ならば他のアクションで補って欲しかった気もするが、そりゃ贅沢ってもんですね。
だが問題は登場人物だ。
“犬屋”に転属された主人公は、今どきマンガでしかお目にかかれないような熱血漢。
とりあえず、熱すぎ。
市原隼人にはあと3℃ほど体温を下げて演じていただきたかった。
どうやら主人公の父も警察官だったらしいが、そこを序盤でしっかり説明してれば、
主人公がやかましいほどに刑事にこだわる理由にも納得がいったろう。
だが、このままでは単なるハタ迷惑な特攻野郎である。
だが一番酷いのは、犯人。
時計を見てニヤリ、
逃げ回りながらヘラヘラ、
な、なんて分かり易い悪党ぶり……。
警察の眼をかいくぐって精密な爆弾を公共の場に
設置できるだけのスキルをどこで身に付けたのか。
なぜ日本の大企業ばかりを狙って爆破事件を起こしたのか。
なぜブリーフ一丁なのか(?)。
それらについてもひと言ふた言、まるで合点のいかない説明がある程度。
犯人を“クビにされた派遣社員”に設定しておいて、特に社会的なテーマも提示せず、
あのステレオタイプなサイコパスぶりは正直酷い。
『派遣社員バカにしてんのか?』と思う。
あと、
戸田恵梨香と時任三郎以外の“犬屋”仲間は存在感がほぼ皆無。
やたらと感動を煽ろうとする音楽もやかましい。
サスペンスにも欠けるし、物語も予定調和だし、
全体的な感想としてどうにもイマイチ。
けど、シロやその他の犬達との訓練シーンは相当に頑張ったんだろうなあ。
しっかり指示を聞く犬達や指示を与える役者陣の姿には感心しきりだった。
あと先述の通り、アクション演出はかなり頑張っている。
そのお陰で、最後まで飽きずに観られる映画にはなっていたかな。
犬達と、犬を演出&犬と共演した方々と、
アクション演出陣の頑張りにスコア1.0プラス。
<2011/10/1鑑賞>