「赤と青」終わらない青 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
赤と青
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晴れているのに赤い傘を差し、電車では空いているのに立ったまま、しかも手すりには直接触れない。父の潔癖症と母のうつ気質をそのまま受け継いでいる様子。冒頭では来るはずの生理が来なかった描写、そして夜になると目を背けたくなるような性的虐待。
父親の支配から逃げ出せない現実。楓は学校を休みがちになるが、青い空の下、赤い傘で抵抗しているかのようだった。同級生にバイトを紹介してもらおうとしていた楓、公園では楓の木に母親になることを報告もする。楓の葉を自分の子に見立てて束の間の幸せに浸るも、やがて出産もかなわぬこととなった。
全体的には赤色の方が強調されているようなイメージだったが、最後には鮮血の赤に裏切られ、大切にしていた傘の骨によって腹を刺す。赤、楓、血・・・痛々しくて見てられない。そして、2023年7月に水井真希さん、逝去。ご冥福をお祈りいたします。
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