「映画館で観ればよかった」X-MEN:ファースト・ジェネレーション マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
映画館で観ればよかった
「X-MEN」シリーズはずっと観てきたが、見せ場のVFXのデキが平凡で、作風もA級ともB級ともどっちつかずで「ファイナル ディシジョン」でご馳走さま状態だった。それで、今作はなんとなく映画館には足を運ばなかった。
今回、BDで観る機会を得たが、VFXのデキが格段に向上している。カメラアングルが良く、作り込まれた映像はダイナミックで重量感もある。
そして、なによりも人間ドラマとしての完成度が高い。
ホロコーストを経て人間不信に陥っていくエリック。
人と同じ容貌になりたいと望む青い肌のレイブン。
一般人類もミュータントも進化の一部と考え、共存できると信じるチャールズ。
三者三様の人間形成のルーツを、少年・少女時代に遡って解き明かす物語が興味を惹く。
ケヴィン・ベーコンの悪役ぶりもいいが、むしろこの作品では敵を倒すことはあくまでビジュアル的なもので、重きは後にプロフェッサーXとマグニートーとして対峙することになる、チャールズとエリックの友情と、その崩壊にある。
普通の人間とは違う能力を持ち得たことに優越感を持つのか、それとも誇りとするのか。優越感に溺れる者は自らを新人類と称し、誇りにしようとする者は逆に人との違いに劣等感を持って悩む。
チャールズとエリック以外のミュータントたちについても、それぞれの人間模様が描かれ奥が深い。
この作品を観ると、これまでの3本が単なる序章に見えてくる。
映画館で観ておけばよかった。大失敗!!
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