劇場公開日 2011年6月11日

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「ありがとうマシュー♪(^^)♪」X-MEN:ファースト・ジェネレーション おりこうさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ありがとうマシュー♪(^^)♪

2016年4月21日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

地味ながら個人的には、KICK-ASSでもKINGSMENでも無く、本作品こそマシュー・ボーン監督の最高傑作だと思う。

ヘンリー・ジャックマンの音楽も最高♪
TAKE THATの挿入歌も、歌詞が作品とバッチリ合っててGOOD♪

悪役的ポジションへ置かれているマグニートが、なぜ誕生したのか?

全ては親を殺された復讐の為だけに、力をつけて来たマグニートに対して「そのパワー(能力)を、復讐という目的ではなく、良い目的に使う事で、君はより良い人間・ミュータントになれる。」と、マグニートに伝えるプロフェッサーの気持ちも、理解してはいても、簡単には変われないマグニートの気持ちも、どちらも痛い程良く分かる。

容姿にコンプレックスを抱えるミュータント同士の、心情の葛藤や変化も、現実社会に生きている人間の悩みそのもの。

どのミュータントの考えにも、否定も肯定もしないまま、一人一人をただ見守っている(偏りがない)監督の素晴らしい力量。

原作者・作品への敬意と、エンターテイメントのバランスも絶妙な仕上がり。

X-MENの誕生秘話にあった「ミュータント」は、当時アメリカの街の隅に追いやられ、差別や誹謗中傷の標的にされていた「社会的マイノリティーの方々」を、モデルにしている社会風刺漫画だと知った上で観ると、感慨深い作品。

誰一人、同じ人はいない。
「みんな違って、みんな良い。」
いつか教室の黒板に、書いてあったっけ?

こんな率直でイイ言葉を、どうして忘れちゃうんだろう。

自分と違う考えの人を、頭ごなしに否定しないで、耳を傾ける事と対話する事の柔軟さ、共感・賛同出来なくても「1つの考え。」として理解する事の大切さ。

口で言うほど簡単じゃないけど、マグニートと戦う程、難しい事じゃない。

実際にこういう考えが、社会で生きていくうえでも必要不可欠だし、大袈裟じゃなく日々の平和へも、直結している気がする。

「自分とは違う考えや意見を、受け入れる。(尊重する。)」ことが出来る人こそ、本当の大人なんだろうなぁ。

何よりも先ず、不完全に感じる「自分自身を受け入れろ。そのままの君は美しい。」って、マグニートも言ってたもんね。

自分を許せれば、人の事も許せるって言うもんね。

ありがとうマシュー♪最高です(^^)♪

おりこう