「こんな田舎がほしい」ももへの手紙 HITOMIさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな田舎がほしい
突然の父の事故死で、東京のマンションを引き払って、ももと母は瀬戸内の島に引っ越します。そのふるさとの街並みが日本の田舎としてとてもよく描かれていて、光と風を感じて、こんなところに田舎がほしいなとおもわず思ってしまいました。
風景や街並みだけでなく、人物もよく描かれてます。映画を観終わって、街に出てみると実際に歩いてくる人がアニメのキャラクターかしらと思えたほど、リアルに描かれてました。暴風雨の中のももの着ている服が風でなびいているのなんかすごい。
宮崎駿さんのアニメと比べて色は地味ですが、落ち着いた色合いで、ほんわかさせます。
お父さんの亡くなった寂しさでつらい思いをしているももと、無理をして喘息を発症させてしまう母との、親娘の感情的ないさかいも描かれていて、おもわず胸をきゅんとさせます。
でも、空から降ってきた3つの雨粒が妖怪となって、ももの前に現われ、コミカルにもからんで物語が進行するあたりは、リアルな部分と反発して、ちょっとひっかかかりました。妖怪のキャラクターがもう少し違うとよかったのかもしれません。
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