「『楢山節考』の後日談というより、ドリフのコントに近い世界」デンデラ 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
『楢山節考』の後日談というより、ドリフのコントに近い世界
《続・楢山節考》というより、ドリフのコントで志村バアさんを倅の加トちゃんが雪山に捨てるんやけど、帰宅したらバアさんの方が早く帰っていて、「おかえり〜」って待ってるネタあるでしょ。
何度も捨てるんやけど、その度にバアさん近道使って猛ダッシュして帰ってきて、とうとう加トちゃんがダウンしちゃって、「ダメだこりゃ!」
♪ファンファ、ファッファ〜〜ファ〜〜ドン!!♪
ってヤツ。
あっちの方がテイストは極めて似ている。
それなら開き直って笑いに突っ走って欲しかった。
要は、バアさん連中みんな威勢が良過ぎるって事でしょうな。
普段、介護に携わっている者として、不自由になってしまった弱者への面倒や生活観etc.が興味津々だっただけに、
「セルフサービスの特養老人ホームやな」ってぇ安直な印象しか持てないのは致命的だ。
最大のテーマである《老い》に対する掘りがずいぶん浅い。
題材自体はとても面白いのに、残念の一言に尽きる。
では、最後に短歌を一首。
『棄てられて 大地に叫ぶ 枯れ吹雪 恨み牙剥く 残り火の里』
by全竜
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