「納得の作品だが、「文部省選定」みたいな…」わが母の記 トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)
納得の作品だが、「文部省選定」みたいな…
文豪というよりも、大成功を納めた流行作家、あるいは国民的作家というべき井上靖とその母親の姿を描いた作品。
井上靖と同郷で、高校(井上は旧制中学)の後輩にあたる原田真人監督は郷土の大先輩、偉人の人間味を役所広司からうまく引き出している、と思う。
ぼけた母を演じた樹木希林の名演は、まあ、日本アカデミー賞助演女優賞は間違いないんでしょうな、という感じ。
大作家の末娘を演じた宮崎あおい(こちらが助演女優賞か?)も好感度の高い演技を見せる。
さまざまな好条件が整い、よくできた映画だ。
非の打ち所がない作品といっていいだろう。
しかし、その優等生的な作品ゆえに、何か心に残らないんだなあ。というのはあまりにへそ曲がりな批評だろうか。
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