「周到な準備が勝利を導く」メカニック マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
周到な準備が勝利を導く
寡黙で淡々と“仕事”をこなす男に、いま一番似合う役者がジェイソン・ステイサムだろう。
スタントもできるアクションスターということで、出演する作品に幅がなくキャラクターも固定化してしまっているが、何本観ても見飽きるということがない。
動きの俊敏性だけでなく、シャープな頭脳を持つイメージが、アクションに幅を持たせるからかも知れない。
今作でも、頭脳を使った用意周到さと、的確な判断による俊敏性が活かされた役どころだ。オープニングの暗殺で、緻密さと大胆さを兼ね備えたキャラクターを観る者にあっという間に植えつける。
それが、親友の息子・スティーブを助手にしたことから、寸分の狂いもなかった“仕事”の歯車に亀裂が入り始める。ここが、この映画の面白さだ。
死んだはずの人間が生存していたり、父の死の真相を知ったスティーブの行動によって、亀裂はあらぬ方向に向かい、その傷口を広げていく。
裏切りと仲間割れ。最後まで生き抜くのは誰か?
アーサーの親友にしてスティーブの父が遺した銀色に輝く拳銃コルト・ガバメント。そのスライドの側面に彫られた文字「周到な準備が勝利を導く」が最後までものを言う。
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