「貫く美学とジェイソンの男臭さが最高でした」メカニック スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
貫く美学とジェイソンの男臭さが最高でした
結局終わってみればいつもながらのジェイソン映画でしたが、ジェイソンがジェイソンしているだけで楽しめる私としては、当然ながらそれだけでも十分満足、それプラス今回は、哀愁たっぷりな男臭さと彼なりの美学を貫く姿にも惚れ惚れとさせられた作品でしたね。
軽い役のジェイソンもまあ嫌いではないのですが、やはりジェイソンはこんな硬派な役の方が圧倒的に嵌る。
正確無比な殺し屋ステイサムが本当にカッコ良かった。
特に序盤、証拠を残さず且つ存在を知られることなく完璧に仕事をこなす姿は、まさにメカニックと呼ばれるにふさわしいと心から思わされるシーンで、とても印象深かったです。
ただ、それ以降は徐々に雑になっていった気がしないでもなかったですが・・・。
そんな突っ込みどころ満載なところも、ある意味ジェイソン映画らしくてこれはこれで味と私は好意的に捉えましたが、細かいことが気になる方は何だこの映画は!と憤っても不思議ではなかったかも(苦笑)
まあジェイソン映画に細かいことを求める方も、そうはいないでしょうけど。
結局派手に証拠を残しても、警察の存在がほぼ無視されても、いいんです、ジェイソン・ステイサム映画ならば。
また一匹狼的な殺し屋ジェイソンが、弟子をとって育てていくところも見所の一つでしたね。
只ならぬ因縁のある関係から、いつバレるのかちょっとドキドキ、この緊張感もたまらなく良かった。
結構ベン・フォスターが演じた弟子が、指示通り動かず自分の腕を過信してドジるから、余計にハラハラ・・・でもチンピラ風情から殺し屋に成長していく様子は、なかなか見応えがありました。
本作は、ジェイソンだけでなく、狂気を内に秘めた雰囲気を絶妙に醸し出したベン・フォスターの好演も光った作品でしたね。
ちょっと惜しかったのは、組織のボスを演じたトニー・ゴールドウィンが、今一歩の存在感と言うか、分かり易いキャラ過ぎて、若干盛り上がりに欠けた部分はあったかも。
それと女性陣も空気過ぎて、ほぼ意味無しでしたよね。
しかしラストのジェイソンとベンの駆け引き合戦は、相当しびれたなぁ~、感情に流されない辺りは、まさしくメカニック、劇中の小ネタを生かす辺りもなかなか心憎い演出でした。
無駄に長い映画と違って、約90分で見れる手軽さも私的には好ポイントでしたね。