探偵はBARにいるのレビュー・感想・評価
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探偵はBARにいる
予告を見た途端ピーーンとくるものがあり、見に行きました。
探偵物語、や俺たちは天使だ、等70年代の匂いプンプンです。
(ちょっと今の世界なので、シビア度がましているかもしれませんが、、)
大泉洋さんはこれぐらいできる俳優さんだと思っていました。
役柄を広げ、新しいキャラを作っていってほしいです。
松田隆平さんは、美形ですね。ジャニーズ役者にない俳優のもつ
美を持っている方と思います。
お父さんを引き合いに出されるのは嫌でしょうが、それなりの生きざまを見せてほしい役者さんです。
さて、小雪さん
美しいキラキラ★
個人的には、丈夫なお子さまを生んでください♥
女優てきに言えばも少し無くなった御主人への葛藤が出るところが欲しかったかな?
表情がいつもの小雪スマイルで、何かがモスコシ欲しかった。
「探偵はBARにいる」
奴はそこで、泣いているのか笑っているのか?
社会の片隅、奴はいつもそこにいる。
笑いとシリアスの絶妙な境界線
ユルいです。なかなかのユルさ。
まあ一見地味というか、派手さはないし、めちゃくちゃ金の掛かったセットもない。CGフル多様みたいな特殊効果もないし、主演も大泉洋で華がない。
TVドラマサイズで事が足りるんじゃないの?という、その線ギリギリの『ツクリ』というか。
だから結構イヤミがなくて、サラリと観ていられるというか。
探偵モノと言っても、推理も難解という訳じゃなく、軽い思考で充分対応出来てしまう。
ハードボイルド調の独白もまあ多様するんだけど、当の本人三枚目って感じの探偵さんなんで、親しみが持てるというか。
セクキャバ行くし風俗行くしベロンベロンになったら犬の置き物パクって来るしで、こんな奴、連れに一人二人は居るよなあ、という親近感。
アホとシリアスの絶妙な境界線というか。
大泉洋だから醸せた雰囲気なんだなあ、と。
トボケた助手の高田役、松田龍平との掛け合いも面白かった。
まあ、だからこの『ユルさ』が良かったんでしょうね。
小説チック、漫画チックの様な探偵〈俺〉と助手高田のバックグラウンドには、流石にちょいと苦笑いしましたけども。
あと時間も少々長い気が。100分以内で収めたら、もっとカッチリしたと思うんですけどね。そこまでユルくなくていいよ、と。
でも、キャストの豪華さがそれらをフォローしてくれてるというか、アンサンブルが楽しめました。
西田敏行やら小雪やら、高嶋政伸も頭の線一本切れた迷演技を披露してくれたし、松田龍平のトボケた演技もイイ味出してた(チョイ役中のチョイ役で吉高由里子も出てました)。
続編やる気マンマンな終わり方も、素直で宜しいじゃないですか!
うーん。そうだなあ。
あのBARの電話を、また鳴らしてやって欲しいなあ、と。
そう思った次第です。
今年の日本映画のNo.1エンターテイメント!
改めて、映画はエンターテイメントであるべき、と観て思った。
ストーリーの面白さは勿論、テンポの良さ、洒落た台詞とユーモア、雪の町ススキノを舞台にした雰囲気…どれもがイイ!
日本でこんなに面白い探偵ハードボイルド物は、「探偵物語」や「濱マイク」シリーズ以来だろう。
そして何と言っても、キャストの魅力!
大泉洋、イイ!二枚目半な探偵“俺”は、ハマり役!メインタイトルバックでススキノを歩く姿は様になっている。また、どことなくルパン三世を彷彿とさせる。
松田龍平、ナイス!腕っ節は強いがマイペースな“高田君”、最高の相棒!今年は「まほろ駅前多田便利軒」もあって、イイ役に恵まれている。
その他、共演者も適材適所。
小雪はもうメッチャ美人だし、高嶋政伸の悪役は驚きだし、松重豊や西田敏行はさすがの貫禄。
やっぱりキャストが映えると映画は面白くなるし、さらにストーリーが面白ければ、最高のエンターテイメント!
第2弾の製作が決定したが、これはもう大賛成!
“俺”と“高田君”の名コンビの活躍、また早く見たい。
出来れば、来年の上半期中に(笑)
制作者の方々、お願い致します。
ハードーボイルド?
題名からして面白いし、北海道には何度も行っているので景色も見たくて鑑賞しました。大泉さんが良い、松田さんも助けになっているのか?いつもおかきを食べている人。とてもテンポ良く進んで笑わせる。あの悪者が高島さんとは?なんか探偵シリーズになりそうな映画で楽しめました。時計を止めての主題歌歌っていたのはカルメン・マキさんでした。いまだに素晴らしい歌声で素敵でした。
面白いよ。
大泉さんも松田さんも良かったですよ。
テンポも良く最後まで見れました。
続編を含め今後が楽しみですね。半年に1本くらいのペースで出していけばいいんじゃないかな。
やくざ役が高島政伸だってことが最後まで分かりませんでした。
探偵物語+ルパンⅢ世
最高に楽しめました。
観る前の予想は、たぶん昔のテレビドラマ、探偵物語の優作さん風
かと思っていましたが、観ているうちに大泉さんが
ルパンⅢ世に見えてきました。(痩せてる外観も似てるが内容的にも(笑))
この二つの面白い所をギュッと良い所取りしたら、この映画に
なったって感じですね。
松田龍平さんて事でも、探偵物語の優作さんに
ルパンⅢ世は、作者のモンキーパンチさんが、大泉さんと同じく
北海道出身って事で、ちょっと繋がる訳っすね。(^^:ムリヤリ?
映画の舞台も、札幌ススキノって事で、地元の見慣れた景色や
御当地タレントが随所に出てくるのも、この映画を楽しめた要因だと
思いますが、北海道を知らない人でも、充分楽しめる作品だと思います。
原作がシリーズ化している事もありますし、今後シリーズ化して
大泉さん、松田龍平さんの代表作、代名詞になるような作品に
更に飛躍して、なって行って欲しいですね。
大泉さんと松田龍平さんばかりになりましたが、他の方達も凄く
良かったです。
特筆すべきは高嶋政伸さんでしょう。
あの憎憎しさ、恐ろしさ、存在感ありました。
見終わった直後から、もう一度映画館で観たくなりました。
観て良かった映画は今年も数作観てますが、観てこれだけ楽しかった
映画は、これが最高でしょう。
強く強く、次回作を望みます。
えっ💦 もう終り⁉
とても流れのテンポよく、あっというまに終わってしまいました。だけど物足りないとかではなく、見終わった後は満足感で一杯になれました。
大泉洋と松田龍平のコンビも最高でしたね、見て損はしない作品だと思います。
設定は物足りないが役者に救われた
さすが9月18日(日)時点で注目作品ランキング1位をキープしているだけあり、こちら(東北の一都市)の映画館でも8分の入りとなかなかの人気ぶりの本作。探偵ものとしてシリーズ刊行されている小説が原作のようですが、まだ全く読んでいない私でも十分に楽しめました。
なんといっても主演の二人が良い。
大泉洋は立ち居振る舞いが格好良くほれぼれするくらい。バラエティを主戦場として出てきた方らしく、場の雰囲気に合わせるのが上手ながら、「大泉カラー」は消さない絶妙さでした。
松田龍平演じる“高田”は最初の登場シーン一発でお気に入りに。ひょうひょう・淡々としながら格闘にめっぽう強い。無表情で戦うのですが、冷たいのではなく世間ズレしているだけ、という空気感が非常にすばらしかった。「こいつ、面白い!」と観劇中ずっと思ってました。
この二人が出るならシリーズ化して欲しい、と思わせるだけの組み合わせです。
ただ、キャラクター設定には少々不満が。大泉演じる主人公の「俺」にはもう少しキーワードというか、007のマティーニのような「これ!」というこだわりの強い部分、キャラをあらわす『記号』があと何点かあって欲しいのです。朝飯が近所のナポリタン、というのは地元密着で良いですが・・・
主人公は決して腕利きではないと思いましたし(仕掛け方に工夫が感じられない)、酒とタバコが好き、だけではキャラが立たない。高田は酒は「バーボンソーダ」、主人公にもこういうこだわりが欲しいな~と。
演じる大泉洋はすばらしいだけに、設定でマイナスポイントとなるのはあまりにもったいない。次回作ではもう少し強くキャラを打ち出していただけると末永く楽しめると期待します。
あとの要素ですが、まずストーリーは・・・ポイントとなる「謎の依頼人」の正体はすぐに見当がつきました。
共演の小雪はスクリーンで映える女優さんですね。ただ終盤、大泉に詰め寄られて流した涙はどうも理解しがたい演技(演出?)でした。後悔?謝罪?どっちも話の流れに合わないんですよね~。歓喜の涙という感じではないですし。
最後に、お酒を飲むシーンは皆さん本当に美味しそうでした♪
ぜひシリーズものにしてほしい
ツッコミどころ満載のシチュエーションの連続、だがドタバタにはならない。
〈俺〉という一人称でストーリーが進行するが、大泉洋の語りの多さも気にならない。そのあとにくる現実の符合あるいは真逆の展開で笑わせるユーモアのセンス。
ポンコツの車を、ビジュアルとサウンドの両面でアクセントにした味付けも効果的だ。
妙に熱くてダサイ探偵コンビだが、洒落た作品に仕上がったのは、この演出の巧さと主演ふたりの魅力だろう。
大泉洋も松田龍平もとくに男前というわけではない。だが、ふたりともキャラを引き立たせる味を持っている。正義感が強くがむしゃらに突っ走る〈俺〉と、ボーッとしているようで要領がよく、ケンカが強いくせに〈俺〉には従順な高田のコンビは息がぴったりで楽しめる。しかもボコボコにされても、ふたりともクールでスマートだ。まさにこの作品にぴったりといえる。
最近、悪役が多くなった高嶋政伸もいい。狂気を孕んだ悪党ぶりは中々のものだ。
ラスト近くでは観客の推理を惑わす仕掛けもあり、単純なハッピーエンドにはせず、人情を描いたところにこの作品の魅力がある。
これはぜひシリーズものにしてほしいところだ。
バーのマスターはもちろん、落ち目の桐原組を背負う相田、まずいナポリタンとコーヒーを出す喫茶「モンデ」の看板娘?峰子、夜の帝王?北海道日報記者・松尾などレギュラー陣になり得る駒がすでに揃っている。
70年代の刑事ドラマ!?
探偵物語を彷彿とさせる ハードさとコミカルな部分を持ちながら…
舞台が札幌 主役が大泉洋ときて クールになりきれない所が笑えます。
予想外に激しい乱闘シーン等が続き、(大泉洋さん、がんばりました) 絞り込まれた登場人物らも個性的で 最後まで 楽しめました。
自分の中の 男の感性がくすぐられる作品でした…
‘おじさん’と呼ばれる世代の男性に 是非観て欲しいです。
ハードボイルド・ススキノ+大泉風、カッコいいよ!
待ってました!思ってたよりカッコ良くてハード、 面白かったです。
探偵と高木くん、大泉洋と松田龍平、名物相棒の誕生ですね。アクションもキレてるし、ワクワクさせてくれました。
なかなかハードボイルド、芯だけちょっとトロリ?のススキノ+大泉風って感じ。可愛げがあって、思わず笑っちゃう。誰に対しても真っ直ぐ向き合うのがいい、カッコいいです。
主演以外のキャスティングもピッタリ。特に敵がかなり凄くて恐い。不気味でワルくて強くて、魅力的でした。お茶の間向けからワンランク上のワルぶりに気合いを感じました。
あと、安藤玉恵演じるウエイトレスさん、アヤシイです、気になります。
そして続編、楽しみにしてます。
好きだな~、こんな作品!!
まずは、キャスティングがばっちり!!
大泉洋さんの探偵。
女好きで酒好き。
でも、優しくて、正義感が強くて、ユーモアがあって、どんなに喋っても肝心のことは喋らず、依頼人を守る。
最初は3枚目だったけれど、後半は本当の男!
う~ん、≪前≫をつけて、『本当の男前』にしちゃおう!!
それくらいステキ!
助手の高田役の松田龍平さん。
ぶっきらぼうな風貌の彼の、少しの時間があれば寝ていたいという、トボケたような、少しズレテいるような感じが、とても良い。
亡きお父さんに似てきたね。
小雪さん。
高級クラブのママは、とても似合っていたし、最後の雄姿もステキでした。
西田敏行さん。
善も悪も演じられる彼だからこその役。出番はそんなにないもののさすがでした。
浪岡一喜さん、期待通り笑わせていただきました。
高島政信さん、気持ち悪かった。
松重豊さん、石橋蓮司さん、はまり役ですね。
テンポ良く進むストーリーに、意外性はないけれど、それさえも楽しめた。
よく喋る男と寡黙な男の友情。
しゃれた会話。
いいですね!!
高田のオンボロ名車もステキだし、
BARの雰囲気も良いし、
その他の小物も効いている。
ハードボイルドで、何回も「ぎょえ~」と思ったけれど、コメディもあり、何度クスッと笑ったことか。
そうそう! カルメン・マキさんの「時計を止めて」を聞いて、涙ぐんでしまった。
次回作あるよね!絶対!!
北海道だねえ
洋ちゃんのおちゃらけぶりと、ハードアクションがいい感じにミックスされて、なかなかの探偵ぶりでした。
ストーリー的には先が読めるので、イマイチでしたが、北海道=大自然というイメージが強い中、別世界とも言える札幌ススキノのいかがわしさがとてもよく画かれていて、道産子としてはやってくれましたって思いました。
松田君とのコンビをもっと見せてくれたら、よかったなー。
子猫ちゃんもそうじゃない人も楽しませる
大泉洋が荒々しいんですよ、奥さん。
ススキノを駆け回って、酒をたしなんで
かっこいいんですよ、これが。
でもね、某番組をよく知ってるとね
周りの人と違う理由で笑っちゃうシーンとかあるわけでね。
電話ボックスで震えてるシーンがドイツの朝に見えたりね。
あの大泉さんがセリフといえど
トイレに行くタイミングについて説教したりね。
子猫ちゃんならではの楽しみ方というものがあっていいと思いますよねぇ。
*****
もちろん、作品そのものがすばらしい!
大人のための娯楽映画に仕上がってます。
探偵はかっこよく、
ヒロインは美しく、
悪者は汚らしく。
脚本もうまくまとまっているし
周りを固めるキャストも豪華で適役ばかり(特に松重さん!)
続編、期待してます!!
(暁に走るが観たいなぁ)
コメディハードボイルド
大泉洋主演のコメディハードボイルド(笑)。
ルパン三世を実写にして泥棒から探偵にするとこんな感じかな、という作品。相当に抜けている大泉洋と、例によってぶっきらぼうな松田龍平がコンビを組んで、大泉ゆかりの札幌で大暴れ、という感じ。
もちろんトーンはどこまでもすっとぼけていて、ナレーションから音楽まで全部2.9枚目ぐらいを行っている。おかげであちこちで笑える楽しい作品に仕上がっている。すっとぼけたお色気も多少あり。
主要人物の配置があまりにも単調なので、謎の依頼人がすぐに見当がついてしまう、というのがこの作品の最大の欠点。それさえなければ、軽妙な会話をベースにした良い脚本だったと思う。ハゲでヒゲとか。ただ、最大の欠点は本当に欠点なので、もうちょっとなんとかならなかったのか。
コメディならコメディで良いんだけれど、それにしても謎解きの部分は謎解きとしてとっておいて欲しかった。
どうでも良いけど、大泉洋って歯並びが悪いのは下だけじゃなくて、上は鮫みたいに二列なんだね(笑)。松田龍平はふと気がつくといつも同じような演出。味があるとは思うけれど、いつも同じじゃぁ芸がない。あと、小雪は相変わらず可愛い。竹下景子と高嶋政伸の変貌ぶりにも驚いた(笑)。
そして、ラストに出てきたオセロの盤面はおかしい。あの状態はゲームをちゃんとやっていたら絶対に現れない。「勝手に宣伝部」でツッコミ動画を作るなら絶対にツッコむ場面。あと、あの短銃、いったい何発弾が入るんだろう???
意外に良いです。それと、高嶋政伸にビックリ。
東直己の小説「ススキノ探偵シリーズ」の第2作「バーにかかってきた電話」が原作。ちなみに、「探偵はBARにいる」と言うのは第1作のタイトル。
「ススキノ探偵シリーズ」と言う事なので(?)、北海道の大スター大泉洋が主演です。この人は、基本・・・って言うか、絶対コメディ・バラエティの人だと思うのですが、そのためか、ハードボイルドコメディ映画?と言う不思議なジャンルを形成してしまったようです。もっとも、原作でもそうなのかどうかは、原作を読んでいないので不明です。
不思議なのは、相棒は、高田と言う事で苗字は明らかになっているのですが、主人公の探偵の名前が絶対にでてこない所。推理小説にはそう言う形態の物はよくあるので、これもそれにならった形態なのだと思います。でも、高田は空手師範代と言う設定なので、強いのはよく分かるんですが、探偵も意外に強いみたいですね。
ところで、高田の車が光岡ビュートなんですが、あんなにボログルマとして描かれてしまって、光岡自動車としては大丈夫なんでしょうかね? 抗議が来ていないか、余計な所が気になってしまいました(笑)。
かなり意外だったのが、探偵を拉致した男が高嶋政伸だったと言う事。言われてから見ても、全然彼だとは解らないんですが・・・。ホテルマンも、あんな下品な演技をする様になったんですねぇ。ちょっとビックリです。
全般として、ハードボイルドコメディ的な要素はさておいて映画の内容としては、サスペンスの要素もしっかりとしていて、結構いい作品です。途中「え?そういう事??」と騙され気味になるのですが、やっぱり結末は、予想通りの結末。小雪を完全な悪役には出来ないですよね。
大泉洋!
あまり期待していなかったが、
実際観てみると、面白い。
大泉洋が好きな方は楽しめる映画になっている。
決して大泉洋はふざけてはないが、
シリアスな場面でもコントに見えるぐらい、
バラエティで出ている大泉洋そのままが見れる。
レイトン教授と同じぐらい
大泉洋の当たり役だと思う。
松田龍平とのコンビも良い。
原作を読んでいないので比較は出来ないが、
原作並みに面白い映画に仕上がっていると思われる。
テンポもよく、笑い、涙、アクションあり、
細かいストーリなどは特に気にせず楽しめた。
高嶋政伸の新境地も見れる。
これは稲垣吾郎の悪役並みの発見で新鮮だった。
おそらく続編が出来るだろうから
次も楽しみだ。
探偵モノの鉄則である“痛快と哀愁の共存”を小気味よく踏襲し、小気味よく裏切った快作
カクテルの匂いより血生臭さが鼻をくすぐるハードボイルドタッチな世界観を地元・北海道が産んだ巨星・大泉洋が、得意のコミカルな愛嬌と巧みなる演技力で探偵を活き活きと力演しており、『水曜どうでしょ〜』以来続く、《北海道に大泉あり!!》を改めて叫んでいる。
危険な目に遭い、追い込まれる程、リアクション芸が冴え渡る爆発力が健在なのも大泉ファンには嬉しい限りだ。
身体を張った探偵モノってぇっと、『傷だらけの天使』や『探偵濱マイク』『チャイナタウン』etc.が頭に浮かぶけど、やっぱり我々の世代にゃ〜『探偵物語』が、てっぺんでして。
先代・松田優作が確立したダンディ&哀愁&野性味&だらしなさで哀愁たっぷりに奔走する探偵像を、松田一門の筆頭・龍平が独自の解釈で継承していたのは、今作において最も感慨深い要素だったと云えよう。
コンビモノの鉄則である薄情者と義理堅い野郎の凸凹加減が、
探偵モノの鉄則である“痛快と哀愁”の共存が、スクリーンで踏襲されつつ、事件そのものの予測は小気味よくハズす。
背景の悲喜交々が、飄々と時に深くブレンドされ、良い案配の波を形成していくから、重い内容なのに、観終わった後、あまり疲れない。
そして、形振り構わず権力と財力に近寄る未亡人の小雪や、『ノーカントリー』のハビエル・バルデムを彷彿とさせるイッテる殺し屋の高嶋政伸etc.ヒール陣の充実も今作の欠かせない魅力の一つと化している。
敵が憎々しいからこそ、滑稽な追っ手が悪戦苦闘の末、徐々にヤマの主導権を握り締めていく時に湧く主人公の快感が客の胸にも瞬く。
めったにシリーズ化は望まない私だが、大泉&龍平のコンビの今後が早くも気になって仕方がない。
そんな期待を込め、最後に短歌を一首
『脚長く 雪ヤマ転ぶ 白と黒 火花(華)刻みし 灰の封切り』
by全竜
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