「笑いとシリアスの絶妙な境界線」探偵はBARにいる ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
笑いとシリアスの絶妙な境界線
ユルいです。なかなかのユルさ。
まあ一見地味というか、派手さはないし、めちゃくちゃ金の掛かったセットもない。CGフル多様みたいな特殊効果もないし、主演も大泉洋で華がない。
TVドラマサイズで事が足りるんじゃないの?という、その線ギリギリの『ツクリ』というか。
だから結構イヤミがなくて、サラリと観ていられるというか。
探偵モノと言っても、推理も難解という訳じゃなく、軽い思考で充分対応出来てしまう。
ハードボイルド調の独白もまあ多様するんだけど、当の本人三枚目って感じの探偵さんなんで、親しみが持てるというか。
セクキャバ行くし風俗行くしベロンベロンになったら犬の置き物パクって来るしで、こんな奴、連れに一人二人は居るよなあ、という親近感。
アホとシリアスの絶妙な境界線というか。
大泉洋だから醸せた雰囲気なんだなあ、と。
トボケた助手の高田役、松田龍平との掛け合いも面白かった。
まあ、だからこの『ユルさ』が良かったんでしょうね。
小説チック、漫画チックの様な探偵〈俺〉と助手高田のバックグラウンドには、流石にちょいと苦笑いしましたけども。
あと時間も少々長い気が。100分以内で収めたら、もっとカッチリしたと思うんですけどね。そこまでユルくなくていいよ、と。
でも、キャストの豪華さがそれらをフォローしてくれてるというか、アンサンブルが楽しめました。
西田敏行やら小雪やら、高嶋政伸も頭の線一本切れた迷演技を披露してくれたし、松田龍平のトボケた演技もイイ味出してた(チョイ役中のチョイ役で吉高由里子も出てました)。
続編やる気マンマンな終わり方も、素直で宜しいじゃないですか!
うーん。そうだなあ。
あのBARの電話を、また鳴らしてやって欲しいなあ、と。
そう思った次第です。