劇場公開日 2011年6月18日

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「繊細な女心と鈍感な男心」東京公園 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5繊細な女心と鈍感な男心

2013年1月22日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

幸せ

公園で家族写真を撮っていたカメラマン志望の大学生・光司は、ある母子を撮ろうとしていたら、男に難癖をつけられる。ところが後日、男からその母子を尾行して写真に撮って欲しいと頼まれる…。

「ユリイカ」「サッドヴァケイション」の青山真治監督が、三浦春馬らフレッシュな面々を迎えて贈る、男と女の繊細な人間模様。
青山真治の作品は少々取っ付き難い作品が多いが、本作は柔らかな語り口でスッと入って行ける。
光司を演じるのは、三浦春馬。「恋空」や「君に届け」などで女の子の理想の男の子のイメージが強いが、等身大の青年を自然体で好演し、今まで一番身近に感じる役柄に好感。
光司を取り巻く3人の女性に、榮倉奈々、小西真奈美、井川遥。この3人がとても魅力的!
榮倉奈々は仲の良い幼馴染み。ゾンビ映画が好きなちょっぴり不思議ちゃん。2人の間にもう一人、光司の同居?男性が関わっているんだけど、実はこの同居男性は…。
小西真奈美は血の繋がりが無い姉。弟想いでクールビューティー、時折見せるしおらしさがほんのり色気漂う。光司と2人きりのあるシーンのドキドキ感と、その時の小西の表情はこの映画最大のハイライト。
井川遥は尾行する女性。台詞は一言も無いが、その佇まいの一つ一つが美しい。

透明感のある爽やかな作品だが、掴み所がふわふわしていて難しい。また、ちょっとややこしい登場人物の関係図がネタバレになってしまう恐れがある。
ただ、一つ言えるのは、光司と幼馴染みと同居?男性の関係であったり、光司と姉の関係であったり、男と尾行女性の関係であったり、それぞれの関係を見つめ直して初めて大切さに気付く。男は女心に鈍感。

一風変わった感覚の映画。

近大
しろくろぱんださんのコメント
2020年8月5日

本当に近大さんは上手く表現されますね。細かいところの人間関係を上手く書かれていて分かりやすかったです。

しろくろぱんだ