劇場公開日 2013年1月19日

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「この作品を観る人も観た人も、『東京物語』をレンタルしてください。」東京家族 シコヲさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0この作品を観る人も観た人も、『東京物語』をレンタルしてください。

2013年3月5日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

最後の最後に「この作品を小津安二郎に捧げる」というようなクレジットが入ったけど、どうかなぁと思った。

この作品「東京物語」(1953年・松竹)の不完全なリメイク版なのだが、それでいて146分破綻なく観せきらせてしまうのが凄い。職人技だ。

この時期に公開するというなら3.11を風化させない為にも、二男昌次は津波で行方不明という設定にしたらどうだったろうか?(『東京物語』では戦後8年未帰還兵という設定)

その妻紀子の心の葛藤と義父母への愛情を描けば、たとえリメイクとしても作品としての完成度は高まったはずだ。原節子と蒼井優の「紀子」の比較も味わいたかった。

『東京物語』のラストに近いシーンで義父(笠智衆)が紀子に
「言わば他人のあんたが、わしらに一番ようしてくれた」
というシーンが印象的だった。

ちなみに、『東京物語』は本作を観るための予習として7泊8日100円レンタルで初めて観た。5回観たけど、まだ小津信者じゃありません。

山田監督は結局自身の80作品(ギネス・レコード?)へのオマージュなりリスペクトを捧げたかったのではないかと勘ぐってみたくなる。

蒼井優フォロワーとしては、出番は少ないし肌のコンディションも悪かったりして残念。でも、妻夫木聡をようやく見つけたのでフォロワーになってみようかな。

シコヲ