「生き会えて良かった」東京家族 グッドラックさんの映画レビュー(感想・評価)
生き会えて良かった
父母が上京し、久しぶりに顔を揃えた家族。喜びながらも子ども達にもそれぞれの生活があり…。
「東京物語」を下敷きにしながら、山田洋次監督が描いたのは平成の今を生きる家族。
先のさっぱり見えない時代の家族を優しく描いていました。温かい余韻でした。
長女の台詞が「東京物語」を強く意識した感じで違和感があったけど、お国訛りの笑顔でストンとおちた気がしました。バブル景気の頃意気揚々と東京に出た明るい女性像に中嶋朋子はぴったりで、急に同年代の妹や従姉妹と重なりました。
次男と彼女の存在が、みずみずしい印象でとても良かったです。蒼井優演じる紀子さんの芯のある優しさに泣けました。30代になってからの妻夫木聡はなかなか見応えあるなと思いました。
生前、明治生まれの祖母を訪ねるといつも「生き会えて良かった」と喜んでくれたものですが、歳を重ねるごとに言葉の意味が身にしみます。
広島県内のロケ地をよくご存知で、それを楽しみに鑑賞される方も多かったからか、特に後半は場内が騒然としてちょっとビックリ。
瀬戸内の穏やかな情景は優しく美しかったです。
コメントする