「このまま聞いても、俺の心が乱れてる」ダンシング・チャップリン shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
このまま聞いても、俺の心が乱れてる
クリックして本文を読む
映画「ダンシング・チャップリン」(周防正行監督)から。
映画の前半部分は「第一幕 アプローチ」
通常の映画では「メイキング」と称される部分。
後半部分が、作品としての「第二幕 バレエ」
映画だと言うのに「第一幕」と「第二幕」の幕間に
しっかり「5分」の休憩時間があるところが面白い。
まぁ、周防監督が奥さんである草刈民代さんのバレエシーンを
劇場で開催される公演記録としてではなく、
映画作品として残そうとしたところが斬新と言えば斬新。
振付師(ローラン・プティ)に映画の構想を語り、
意気投合して、一気に進めようとした監督に、
振付師は「私にとっては、映画化する意味がない。
そんなやり方では、やりたくない」とピシャリ。
このままでは、話が一向に進まないと判断した監督は、
通訳の人に、小さな声で耳打ちをした。
「ちょっと作戦立てるほうがいいかもしれない。
このまま聞いても、俺の心が乱れてる」と。
冷静さを失って交渉することの難しさを教えてくれた。
メイキングとはいえ、このシーンはインパクトがあった。
映画作品としての評価は分かれるところだろうが、
新しい試みとしては、面白かったのではないだろうか。
コメントする