劇場公開日 2011年7月16日

「全体的に吉永小百合さんの日本青春映画の趣。」コクリコ坂から aotokageさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5全体的に吉永小百合さんの日本青春映画の趣。

2011年7月16日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

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「ゲド戦記」で酷評された宮崎吾朗監督の二作目。前作は初めてのアニメ監督だったし、そもそもファンタジーものは宮崎駿監督以外誰がやっても難しかった。今作では宮崎駿監督が企画と脚本にも協力してる。
結論からいうとアニメ映画としてゲドよりもはるかによく仕上がってた。

古き昭和を描いた映画やアニメは最近多いが昔の写真を模しただけで、その時代の空気まで再現できてるものはあまりない。舗装されてない道や小汚くゴチャゴチャした街並み、騒然としてるが生命力ある当時の人々の生活感などは、若いスタッフのアニメスタジオでは描くことはできない。宮崎駿監督の監修の下、当時を知るベテランスタッフが揃うジブリならではの作品だ。

今では考えられないような純愛物語、全体的に吉永小百合さんの日本青春映画の趣。宮崎駿監督は若き日の自分や薄れていく懐かしき時代を描き残したかったのではないか。父親の脚本を吾朗監督が叙情的に映像化した。アニメに関心のない50、60代のおじさんおばさんにお勧めしたい映画。

aotokage