劇場公開日 2011年7月8日

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「大いなる序章作品。後半のアクションはなかなかの見応えでした。」アイ・アム・ナンバー4 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大いなる序章作品。後半のアクションはなかなかの見応えでした。

2011年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 展開の粗っぽさは天下一品。シリーズ化が大前提で、テレビドラマの第1話を見せられた感じで、完成感がイマイチ乏しく感じてしまいました。

 本作のような学園SFものは、テレビシリーズの『ヤングスーパーマン』をずっと見ている小地蔵にとって、目新しくはありません。そしてどうしても『ヤングスーパーマン』のラブストーリーが良くできているので、他の作品と比べると、見劣りしてしまいます。 本作も前半は「トワイライト」シリーズのような身近な学園ドラマが展開します。しかし、『ヤングスーパーマン』のような自分が地球人出ない故の恋人との深刻な葛藤がありません。割とすんなりジョンとサラの恋物語は、順調に乗り越えてしまうのです。
 体育会系男子グループのボスがオタクをいじめたり、そのボスと主人公が同級生の女子を取り合ったり、どこかで見たようなおざなりのシーンもあって、対したアクションもなく、前半は少々退屈気味な展開でした。

 ところが中盤で後半になると、なかなかの謎の美女の登場で、物語は一気に展開します。登場時は、敵か味方か、はっきりしなかったこの美女。ナンバー4の絶体絶命のピンチに登場して、ナンバー4を襲うのかと思いきや、窮地を助けます。実は、この美女こそナンバー6でした。でもなぜ他の仲間は助けに来ないのか、気になります。

 その後の展開では、過激なアクションシーンのオンパレード。今までの学園ドラマが俄然イメチェンしました。壁を蹴って飛び、床を滑って相手を切る!CGもふんだんに使っています、動き自体が香港クンフー映画のように、素早くキレがあって面白かったです。 おまけとして、「暗殺者たち」が放つ怪獣に対抗して、ナンバー4を守護するペットの犬が守護獣化して、怪獣同士の戦いが面白かったです。可愛いワンちゃんが大化けするのは、グッドアイディアですね。
 後半のアクションシーンは、レベルが高くお勧めです。

 それにしても異星人と追っ手の関係も詳しく触れられず、謎にされたまま。そして「暗殺者たち」が律義にナンバー1から順番に狙っていくのは変だし、地球征服が目的と言いながら、大した悪さもしません。さらに9人のうち「4」と「6」しか活躍しないので、『HEROES/ヒーローズ』のような超能力者集団の活躍を期待した人には、肩すかしを食らってしまうでしょう
 それでも、これから登場する生き残った6名の出会いと個性的な能力を発揮した異星人のバトルへとつなぐ序章として楽しめました。これだけ前置きを見せられると、ついつい続編が見たくなれますね。

 あと女子には、『トワイライト』同様、イケメン俳優のキャストが魅力でしょう。

流山の小地蔵