「さらなる成長を予感させるエンディングに昂揚」アイ・アム・ナンバー4 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
さらなる成長を予感させるエンディングに昂揚
意外なのは、VFXをたっぷり使ったSF作品でありながら、画面が大きなシネスコサイズではなくビスタだということ。TVシリーズ化にあたり、番宣で劇場版を作ったのではないかと詮索してしまう。だが、この作品のデキは、そんな中途半端なものではない。
この監督の作品は「イーグル・アイ」しか観ていないが、説明など一切なしでいきなり話に引っ張り込む問答無用の導入部が相変わらずスピルバーグにも負けない力強さだ。
その導入部のVFXがいい。2Dでありながら3Dのような奥行きをもつ。地球の球体感が素晴らしい。大気を抜け暗い森を突っ切るカメラワークは今ではよくあるものだが、微妙な色合いと山々や木々の距離感、心地よいスピードが臨場感を生み、一気に話に引き込まれる。画面サイズは関係ない。
ワイヤーアクションも背景との距離感があり、実際に跳躍したかのようで違和感がない。
潜在能力に覚醒していくジョンと、ハイスクールで知り合ったサラとの恋物語が軸なのだが、映画のポスターを見るとサラとは別の美女が載っている。
ナンバー4という中途半端なタイトルといい、やはりシリーズ化が視野にあるのかなどと観ていると、続くとも続かないともとれる終わり方をする。それが悪いというのではない。主人公が自身の秘めた力に目覚め、その力をコントロールできるまでの成長をノンストップで描き、さらなる成長を予感させる余韻を残す一話完結ものとして気持ちよく観終わることができる。
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