「ザックリとした面白さ」アイ・アム・ナンバー4 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
ザックリとした面白さ
『テイキングライブス』
『ディスタービア』
『イーグルアイ』
……これまで観たD・J・カルーソ監督作を挙げてみました。
個人的には上記3作品にそこまで良い印象を持っておらず。
僕の中では彼の映画は、
『予告編やあらすじだけは面白そうな映画』
『楽しめない事は無いが特に印象に残らない映画』
という失礼極まりない印象しか無いんですね。
本作の予告を観た時も「あ、面白そう」と感じたが、
監督が彼だと知った途端に「おっと過度の期待はイカン」と。
そんなネガティブ思考で鑑賞した本作だが……割と楽しめました。
アクションは少なめで、基本は学園ドラマかマンガみたいなノリ。
主人公が孤独なカメラ少女と恋に落ちたり、いじめられっ子と仲良くなったり、
学校内のいじめっ子と対立したりとナカナカにベタベタなんだが、
登場するのが美男美女揃いなので、観られる。
特に主演のA・ペティファーは超のつくイケメンなので人気出るかも。
次世代のスター候補達を見る目的で鑑賞というのも全然アリです。
満を持してのクライマックスバトルも◎。
スピーディ且つ流麗で、派手なVFXも満載。
No.4とNo.6のアクロバティックなコンビネーションが凄い!
それまでののんびりしたノリが嘘のような、怒涛のアクションが繰り広げられる。
……けど、クライマックスに全力注ぎ過ぎじゃない?
あとは小競り合いばかりだもの。
仇役“モガドリアン”も強いんだか弱いんだか分からん。
他に沢山居るのか残り少ないのかも不明。
つまり、主人公や地球にとってどれ程の脅威なのかが曖昧模糊で、
「こいつらヤバい!」みたいな緊迫感には繋がらないんすよね。
主人公らの能力の設定もなんだか曖昧だなあ。
生き残りの子ども達は強いのに“守護者”がみんな貧弱なのはナゼ。
子ども達が“ロリエン”の中でも特別なのかな。
あとT・パーマー演じるNo.6が物凄く強くてカッコよくて素敵なんだが、
実は出番はクライマックスだけで、その他は
「この人も後から出ますから覚えといて」的な粗っぽい出演シーンに終始。
忠犬バーニーも実は重要な役割を担っているが、
結局どういう存在だったのかがイマイチ不詳。
以上!
アクションとドラマのバランスが悪かったり、
色々と説明不足だったりと全体的に大味だが、
ザックリと面白い。
けどまあ……シリーズ1作目のつもりなら、作りが粗過ぎだよね。
<2011/7/9鑑賞>