もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら : インタビュー

2011年5月30日更新
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「今はだいぶマシになりましたけど、僕はコミュニケーションが下手(へた)なんです。自分の気持ちを上手(うま)く相手に伝えられない慶一郎の性格は、自分と似ていて共感できましたね。ひねくれていている人間を演じるのも面白かった。こういう態度をとらないようにしようとか、自分を見つめ直すきっかけにもなった」

それだけに、コミュニケーションの大切さを感じたのは、後半の試合のシーンだという。「チームでワイワイやる場面は、監督が一切芝居をつけずに自由に演技させてくれたんです。そんなふうに自由にやれるのは、チームの関係性がしっかり出来上がっていたから」と述懐。“チームメイト”との信頼関係も、日を追うごとに深まっていった。「一緒に練習を重ねて、一緒に餃子を食べに行ったりして、絆(きずな)を深めていったからこそ生まれたチームワーク。あのラストシーンはグッときましたね。(監督役の)大泉洋さんも、『自分はあの輪の中に入ってはいなかったけれど、監督席から見ていて涙が出た』と言ってくれました」

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映画、ドラマ、音楽……。2011年が、瀬戸にとってこれまでにない飛躍の年になることは必至。注目度はいっそう上がっていくだろう。現在23歳の若き表現者の今後の展望を聞いた。

「自分がやれないことはない! と思いながら役者業をやっているけれど、少しずつ考え方も変わってきました。ドラッカーの言葉に『日常化した毎日が心地よくなったときこそ、違ったことを行うよう自らを駆り立てる必要がある』とあるように、慣れは怖い、刺激がないと成長していかない、その通りだと思う。僕は今、役者とアーティストの両方をやっていて、それぞれ違う魅力があって互いから刺激をもらっている。それって幸せなことなんですよね」

自らの立ち位置を冷静に見極め、真しに見つめ直すだけの謙虚さを持ち合わせている点も、瀬戸が多くのファンの心をつかむ要因のひとつといえるだろう。だからこそ、次なるステップへ注ぐ眼差(まなざ)しにも力が入る。

「役者として、いろいろな役にチャレンジしていきたいと思っています。これまではさわやか好青年とか、少し弱さがあるとか、そういう役が多かった。人間的に影のある悪っぽい役、二面性のある役、そういう役をやってみたいんです。もちろん、役者以外でも自分の可能性を見つけていきたい。人生一度きり、可能性は試さないと!」

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