「愛では変わらない価値観。」ブルーバレンタイン ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
愛では変わらない価値観。
名画座にて。
ある意味若気の至りでああなってしまった(結婚)二人に対して、
だからやめときゃ良かったのに!と言いたくなるのがオバサンの私。
そもそもこの二人は出逢い(は、仕方ないとして)から現在に至るまで
愛し合っている?とはとても思えなかった、私^^;
子供を産んで育てるということは、実は(でなくても)とても大変だ。
そこへ自分に愛情を寄せてくれる男、守ってくれる男、優しい男、が
現れれば、頼ってしまっていいかも~♪なんて思うのかもしれないが、
それは、大きな誤算でございますぞ。そうでしょ?シンディさん…
そもそも私はこのシンディの生き方にまるで共感できなかった。
両親が不仲だからお婆ちゃんの面倒を献身的に看ている、一見すれば
とても健気で可愛い女性に感じるのだが、彼氏とは何で別れたワケ?
つまりあの一回(子供ができた)が原因?…なら、話し合いなさいよ~。
別れ話もせず逃げて、子供も堕ろさず、傍にいた自分オンリーの男を
スッと選んで結婚するのが悪い。どう見ても、生き方も価値観も違う、
不仲の両親の行く末を暗示するかのようなカップル誕生が、あの時点で
見てとれたのは私だけ…?ではないと思うんだけど^^;
夫より頭がいいはずなのに(医療従事者になるし)なぜ考えなかったのか、
…まぁそれが、若気の至り。となるわけなんでしょうけどねぇ。。
ただまぁ、結婚なんてしてしまえばこんな問題は幾らでも出てくるもの。
こんなヒトだと思わなかった!まさかこんなオンナだったとは!って^^;
…要はそこからの努力がモノをいうんだけど(爆)
その努力、っていうのも二人の価値観相似が最大効力を発揮するもので、
つまり、何だかんだ言ってもピッタリ合う二人。でないと超難題なのだ。
この二人は、まだそこまでお互いが分からないうちにそうなってしまい、
子供の世話や日々の生活で何やかやと過ごすうちに、段々ストレス山積、
せめて私の思う夫に!なんて願望を口にしたところで、元々この夫には
上昇志向なんてないのだし、妻は…もともとこの夫を愛してなかった?と
(愛していると勘違いしている)思えるところから、あーあ…という展開に。
妻の言動、例えば…
子供の父親である元彼の出現を、夫にあのタイミングで話すところもヘン。
その後描かれる過去を観て、夫の決断を考えればあまりに思いやりがない。
もう愛してないの。を地で示しているとしか思えない^^;
子供は可愛がるし(ホントの父親同然に懐いている)、無気力で自堕落な
夫の性格を我慢できれば(つまり妻がバリバリ働いて今後も養うとかね)
違った形で夫婦は続いたのかもしれないが、何をやっても抱かれたくない
妻を夫が無理やり押し倒したところで、もう無理なものは無理。
愛が冷めるのはスープより早いのかも^^;女ってこういう思い切りが早い。
可愛い子供は別として、
どっちもどっちだ。どちらも悪い。どちらも正直。どちらも子供。そして、
一瞬のときめきを一生のきらめきだと勘違いした者同士。
例えば娘を産んでからも付き合い続けて、何年もお互いを見つめ続けて、
それでもこのヒト!!と思ってからの結婚で遅くはなかった。
無理やり親子になるよりも、無理やり愛そうとするよりも、もっと自然に
ヒトを好きになる時は好きになれるものだ。相手の価値観や欠点や誤解を
たくさん知って、見続けて、挫折もして、たくさんの辛い経験を経てもなお、
別れたくない。このヒトでなければ!と思える相手と結婚できたら一番だ。
しかし、やや観づらい画面でございました…^^;
(離れることも一つの挑戦。自分の気持ちと向き合うことが大事。だものね)