「【”魔法使いはいない”時代遅れの老手品師と一人の少女の交流を優しく、言葉少なに描いた温かくも切ないアニメーション。】」イリュージョニスト NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”魔法使いはいない”時代遅れの老手品師と一人の少女の交流を優しく、言葉少なに描いた温かくも切ないアニメーション。】
■1950年、巴里。
昔ながらのマジックを披露する老手品師・タチシェフは、スコットランドの離島を訪れ、村人を相手に芸を披露する。
そんな中、貧しい少女・アリスは彼を「魔法使い」と信じ、タチシェフを追いかけるようになり、都会迄ついて来てしまう。
◆感想
・サイレントかと思う程セリフが少ないが、この作品の中には、老手品師・タチシェフの善性が溢れている。
・彼の時代遅れの手品に魅入られた少女アリスが付いて来ても、彼は追い返そうとはしない。只管にアリスの為に働き、小さなアパートメントでも彼女にベッドを譲り、自分はソファで眠る。
・そして、老手品師は美しく成長するアリスの為に、服を買い、靴を買う。そして彼女に恋人が出来た頃、彼は一人娘あてに”魔法使いはいない”と言うメモを残し、何処かへ去るのである。
<今作は、時代遅れの老手品師が自分を”魔法使い”と思い、慕う一人の少女を想いやる人間の善性溢れる気品溢れるアニメーション映画なのである。>
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