「本当に切ない一本」イリュージョニスト talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
本当に切ない一本
どんなに愛しい子供でも、いつかは(自分で自分の家庭を築いて)親の下から巣立って行きます。
むしろ、これから自分の将来を切り開いていく我が子に対して、壮年を経れば、親の我が身は老年に至って衰えて行くばかりなので、かえって親から巣立って行ってもらわなければならない…。
そうなった親から見れば、あとはもう、子供を見守ることしかできないという、その寂しさ。
アリスと別れたタチシェフの心境は、それ以外にはなかったと思います。
最後の最後に、タチシェフとしてなすべきこと(アリスのために当座の…残せるだけのお金を残すこと)も、半端仕事や、慣れない自動車整備工場でのアルバイトで、何とかすることができた訳ですから。
本当の親子ではなかったにしても、タチシェフの心情はそこ以外にはなかったろうと思うと、観終わって、本当に切ない一本になりました。評論子には。
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