劇場公開日 2011年6月18日

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「余りおすすめしたくない作品」スカイライン 征服 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0余りおすすめしたくない作品

2011年6月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 これは、きわめて問題を含んだ映画だと思います。
 ある朝、ロスの街を異様な光が襲い、上空に異様な巨大飛行物体の群れが現れます。彼らは恐るべきパワーで地上から人間を大量に吸い上げ、醜悪な宇宙人たちがマンションの部屋でおびえる住人を襲いにかかります。彼らの地球征服シナリオには米軍さえ手も足も出ないというお決まりのストーリー。
 ただ、最近やたらとこの手の作品が増えてきています。小地蔵も横浜アリーナの上空で、UFOの大編隊(変態ではありませんよ!)を目撃しました。だから、そろそろ極秘にされてきた宇宙人とのコンタクトが、おおっぴらにされための予行演習的な作品なんだろうと思っていたら、どうやらそうではないようなのです。

 宇宙人は、小地蔵の専門領域外でありますので、詳しいマイミクさんのご意見では、地球人に友好的な宇宙人と地球侵略を目論む邪悪な宇宙人の両方がいるとのこと。宇宙人は、すでに地球に来ていて、主要大国の軍部と繋がっており、UFO情報は、各国の軍事機密扱いとなっているそうなのです。そこから漏れてきた話が、今月公開される映画『スーパーエイト』となっていくのですね。

 ETみたいにフレンドリーな作品はいいとして、本作は、地球人を恐怖で洗脳する狙いが感じられれます。監督は「大手スタジオの要求に妥協せず自分たちが作りたいものを」と考え、インディペンデントで本作を完成させたそうです。マーケッティングに縛られず自由に製作できた分、ある危険な意図が入りこんだ可能性が高いと思うのです。

 宇宙人の存在を認め、服従するしかないと決めつけているのが、物理学者ホーキング博士。彼はひょっとしたら、邪悪な宇宙人の意図を受けた存在なのかも知れません。実際「地球人は科学が進んだ宇宙人に抵抗しても無駄」と発言しているようです。
 地球侵略の作品が続く中で、「宇宙人に抵抗しても無駄だ」というインスピレーションを受けて映画をつくっている人は、案外たくさんいるのかもしれませんね。

 映画は、暗いところで2時間もスクリーンを凝視するため、暗示効果の高い媒体です。まさかとは思われるでしょうけれど、本作の内容はまさに、地球人に恐怖を植え付けようとの暗示効果の高い作品です。小地蔵はあまり鑑賞をお勧めしません。でも試写会に当たった方は、これはあくまでフィクションだと決めつけて、恐怖の暗示に引っかからないよう強い心で鑑賞してください。

流山の小地蔵